言ったら終わり。言ったら終わり。
絶対に口割るもんか!!
乙女の貞操がかかってるんだから!
ラブまで飛び級
ナルトの家で大人しくしてたら突然の轟音と叫び声。
お前は!?とか ぐあぁぁ!とか聞こえたと思ったらすぐに静かになった。
外に出るなよ――
ナルトにはそう言われたけど…今まで守ってくれてた人が血だらけになって今にも殺されそうになってるんだもん!
ここで怯んだら女がすたる!!
武器を持って…いざ出陣!!
「おぉ!!やめて!それ以上ボコったらその人死んじゃうでしょーが!!命は大切にって習わなかったの!?」
「………確かに報告通りちょっと状況を察しない人みたいだね、高鳥茉莉。」
眼鏡男…薬師カブト。手に掴んでた見張りの暗部を投げたと思ったら茉莉の目の前に立っていた。
…なんで忍ってこうやって突然目の前に現れるのが好きなんだろう…これは皆共通してるんだね。心臓に悪いって……
それでも持てる勇気を振り絞って家の中から持ってきた使い慣れた道具をカブトの頭に振り下ろした――
――コンッ………
「……お玉で僕が倒せると思ってるんですか?」
「………いえ…‥」
せめて包丁を…
「っな……なに……」
「僕と来てもらうよ?大蛇丸様が待ってる。」
ぐいっと腰を引き寄せられその拍子に武器にもならなかったお玉が地に落ちた。
そっか大蛇丸!カブトって大蛇丸の部下だった。
朝ナルトが試験だって言ってたの中忍試験の事なんだ!ってことはサスケに呪印でサクラが髪チョッキンでシカマルは無事だけどナルトに五行封印が………
「ナル…ナルトは無事なの!?ナルトに何かしたら絶対に許さないから!!」
「君に何が出来る?駒は駒らしくしていればいいんだよ」
「あんたかなり………ムッカツク!離してよ!!ナルトとご飯食べる約束してるのに!離せーーーー!」
必死だったけど抵抗も虚しく連れてこられたのはどっかの森のどっかの洞窟。
隠れ家がある森とは全然違う。
暗くてジメジメして空気が纏わりつく。そんな感じ。
ナルト……怒ってるかな………
口は悪いしすぐ頬叩くし馬鹿呼ばわりだけど……優しいところもあるんだよね…
ごはん一緒に食べてくれるし瞬身の術は使わないでいてくれるし…単に吐かれるのが嫌なのかもだけど。
毎朝ナルトのふわふわの髪の毛見るの好きだったな、こうやって連れてこられる前に触ってみたかった。
任務から帰ってきた後に気付けば奪われるキスだって、優しかったり………
「うわっ……どうしよう……これ、ライクじゃなくてラブな状態?」
いやいやそれよりもライクにもなってなかった‥かも……ぶっ飛んでラブ?
私…ナルトのこと好きになっちゃってる?
「このまま死ぬかもしれない時に気付いてどうすんだ私―!ううぅ、でもナルトに会いたい…ドラえも〜ん…」
馬鹿馬鹿と言われ続けたけど確かに馬鹿だったかも……
こんなことになるならナルトとヤっちゃっとけば良かった…一回死んだのに‥
「馬鹿は死んでも治らないって本当だったんだ…自分で実証することが出来るなんて…これレアだよね。だいたい死んじゃったら終わりなところを私はトリップしたわけだし。
神様!もし生き延びることが出来てナルトに会えたらもう逃げない!…多分‥…だからお願い〜!」
暗い洞窟の中。小さく空いてる穴から差し込む到底明るいとは言えない明かりに向かって拝む茉莉は端から見てかなりおかしい。
まぁ本人は必死なわけだがそんな気持ちはいつの間にか後ろに立っていたカブトと大蛇丸にわかるわけもない。
「さて、どうやってチャクラを回復させるのか聞かせてもらおうかしらお姫様」
「ふん!!誰が言うもんか変態!ナルト以外にはあげない!」
大蛇丸を指さしながら偉そうに吠える茉莉は立派過ぎる墓穴を見事に掘った。
「…じゃあ回復のさせ方は知ってるのね、良かったわ。」
「は!?し……知らない……」
時すでに遅し。じりじり寄ってくるカブトが怖いデース…ナルト〜どうしよう……
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