朝起きたらナルトの顔が目の前だった。
保管庫からナルトの部屋?に移されていたらしい…何故に?
傍観者フル希望の小心者な茉莉はナルトが寝ている今だからこそ出来ることを!と心に誓い実行を目標にナルトをガン見した。
ふわっふわに揺れる髪の毛…頭なでなでしたい!
……でもその前に寝顔も堪能。
寝顔もステキ…キレイな顔だなぁ
寝顔の代償は
男の人なのに結構睫毛長いんだ。さすがナルト。
傷ひとつない肌は白くてまるで人形みたい。
髪の毛は一本一本が輝いていてこれを絵で表現したりって難しいだろうなぁあぁ本当にふわふわしてる〜…触りたぁい
蒼い瞳は海の色か空の色か…おや?私が映っている………
「よぉ…たっぷり人の寝顔見れて満足かよ」
「ひっ!お…起きて……ぎゃ!」
いつの間にか起きていたナルトに驚く茉莉はベッドから抜け出そうとしたが無論叶わないことだった。
体の下に回されていた腕が茉莉をナルトの方へと引き寄せる。
茉莉のチキンとしての反射神経――
一昨日は瞬身に匹敵?な速さを誇り武器庫に逃げたが腰と後頭部に手を回されては元々運動神経があまりよくない茉莉…抵抗と言う言葉も当て嵌まらないほどにすでに羽交い絞めだ。
結局茉莉の顔はナルトの肩に埋もれ顔に触れる金の髪が天のお迎えの様に光っている…サヨナラぁ〜……
「ひゃぁっ!」
……現実逃避も許されないらしい…
茉莉の肩に顔を埋めるナルトは茉莉の首に唇を落としては軽く吸い上げ軽いリップ音を立てながら赤い痕を残していく。
「お前も楽しんだんだろ?」
「―違っ…ッ…」
耳元で囁かれるナルトの声が全身を駆け巡るように走る。何事か!!寝顔見てただけなのに―!
「ナ――ふっ……」
「黙れ」
いつの間にか両手は頭の上で一つにされ押さえつけられていてピクリとも動かせない。
口を塞がれるとナルトの舌がすぐに茉莉の中へと入っていく。
ぬるりとした感触が頭を沸騰させるような刺激を与え…………恥ずかしくて死にそうだ
「――!ぁっ……ナル…んぅ」
再び唇を塞がれると腰を撫でていたナルトの手が服の中に入り茉莉の胸へと上がってきた。
何これなにこれナニコレ!!なんでぇ!!
ぎゅっと目を瞑る茉莉だがそれ以上ナルトの手が動くことは無かった。
そろそろと瞼を開けると機嫌が悪そうなナルトの顔が………
…え?…怒ってる?
………それって私の方に権利があるのでは……
「ナルト…」
「っ邪魔しやがって」
チッと舌打ちすると茉莉から離れ部屋から出ていった。
「……………………………へぁ?」
押さえつけられていた両手、捲し上げられていた服はそのままに……茉莉は固まっていた……
うぅ…体が痛い
無意識に力が入っていたらしい体は動かそうと思ったらギシギシと音を立てた。
元々部屋に籠り本を読み漁るのが好きな茉莉。
運動と言っても散歩くらい………。
よく食べる茉莉だが体質なのか太りにくい。その為運動は学校の授業に頼りきりだったが…
ちょっと運動しよ…
ナルトから逃げ切れるくらいなんとか体力をつけようと考えている茉莉だがそれは無理だと悟るまでそう時間は掛からない。
はい、無理―。
現実だと気付かなかった頃の自分が懐かしい…
どうせなら事が終わってから現実だって気付けばよかったのに勿体無い。
そりゃ男女の関係に興味はある。
でも興味があっても体と心が限界。モタナイ。
やっぱり傍観者が一番安全だ。
うぅ、第三者としてウハウハ暮らしていた元の世界……なんて素敵だったんだろう…
ガタガタする体を壁に支えてもらいつつリビングまでやってきた。
中から重た〜い空気が…ナルトそういえば怒ってたな…
ごはん食べたいのになぁ…
「あ…おはようシカマル………え?大丈夫?」
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