彼が現れるのはいつも突然。


いつでも会いたいって思ってるから、

その時は最高の瞬間で。







月の歌姫 いたずら。








「チノ」


名を呼ぶ声。

きっと一度目で、目が覚めた。
その名前を呼んでくれる人は少なくて、この声を持つ人は一人しかいないから。


「‥‥‥チノ?」


返事をしない私を覗き込む。
真白のシーツの中でふたり、横になって。

陽が昇り始めて、窓から入った光がシーツを透かして彼の金をより彩る。
今日はきっといい天気、
彼の瞳のように澄み渡る空。

朝を告げる鳥の声が聞こえる。

旅の準備はしてあるから、少しだけ長く一緒に居られるかな。


『おはよう、ナルト』


笑顔を見せると安心したように笑った。

会うのは数週間ぶりだった。
この瞬間の為に、毎日空を見上げるの。

青い蒼い、遥かなる空を。


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