「おい!何してんだ行くぞ!!」
副総隊長の漆の声が響いて木ノ葉の暗部たちが現れる。
任務地へ到着するまでの時間を逆算してかなり余裕をもって里を出る。
今回指揮を執るのは副総隊長。
総隊長は補佐としてつくらしい。
「いいか、総隊長から離れるなよ。油断すれば死ぬことはなくても病院送りだ」
面の下で副総隊長が深刻な声を紡いだ。
見失うな‥‥でも‥
「副総隊長!総隊長はもういません!」
「はあ!?しまった!!」
今回の実験はなんだろう‥
任務前だというのにどっと疲れが押し寄せた。
愛しい時間
「そなたが歌姫か、話に聞いていた通りだな」
『お初にお目にかかります大名様』
にっこりと笑って目の前に座る男に微笑みかけた。
手招きされて歩み寄れば腰を引かれ抱きしめられる。
人払いされいるのか‥この部屋に入った時から他には誰もいない。
『あの‥‥』
「美しい‥、旅など続けず、ここにずっと居ればいい。」
後頭部に手を当てて、髪を撫でるように下へと滑らせる。
長い髪が途切れるところまでゆっくりと撫でて行けば腕の中の歌姫が肩を揺らして身じろいだ。
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