「ツナ、手どけて」
「ゃ…、」
「恥ずかしくないよ。俺しかいないんだから」
自分のテリトリーでツナを抱くなんて、なんてぜいたくなんだろう。
白い布団に押し倒したツナは、制服のシャツを脱がされて下着も取り払われて、細い腕で自分の胸を隠すようにしている。
約束どおり遠回りをして帰る帰り道で、ツナが控えめに、恥ずかしそうに訊ねてきたのだ。
今日、山本の家に寄ってもいい?と。
ツナの方からそんな風に誘われては断れるはずもない。だから山本は一つ返事でツナを自宅へ招いた。
なぜうちへ来るのかなんて野暮なことは聞かない。ツナがその気なら乗ってやるだけだ。自室の扉を閉めるのと同時に、ツナを優しく抱きしめてキスをした。

逸る気持ちを抑えて、両腕で胸を隠すツナの額にそっとキスを落とす。本当は無理やりにでも開いてしまいたいのだけれど、ツナを恐がらせることだけはしてはいけない。あくまで紳士的に。優しくリードしなくてはならない。
ツナは少しの間躊躇ったあと、ゆっくりと腕を解いてくれた。そこから現れたのは、お世辞にも大きいとは言えない、控えめで慎ましやかな乳房。思わずこくりと喉が鳴った。
「あ…、あんまりじろじろ見ないで…」
恥ずかしそうに視線を逸らす。どうしていいかわからない両手で、ぎゅっとシーツを握ってみせた。
「こないだよりデカくなったんじゃねーの?」
俺のおかげ?と茶化せば、ばか、とさらに顔を赤く染める。
ツナが自分の手で変わっていくのがうれしい。まっさらなツナを自分の色に染めているみたいでとても満たされた気持ちになる。
「俺が大きくしてやるからな?」
ツナは少し、自分の身体にコンプレックスを抱いている節がある。特に、育ちの遅い胸を気にしているようで、「山本、おれのおっぱい大きくして!」と言われたことはいい思い出だ(あのときは本気で理性が壊れてしまいそうでやばかった)。
そんなこと気にしなくていいのに。
そりゃあおっぱいは男のロマンだから大きいに越したことはないけれど、彼女の小さな胸を自分の手で大きくすることもまた、男の永遠の夢なのだ。
山本はその夢を叶えるべく、その慎ましやかな胸をそっと手のひらで覆った。瞬間、ぴくりとツナが小さく跳ねる。
「ん、ゃ…っ」
まるで壊れ物を扱うように、そっと優しく揉んでやると、ツナはますます顔を赤くして身を捩る。
この、手のひらにすっぽりと収まる大きさがちょうどいいと山本は思う。そのままやわやわと揉んでいると、次第に、ピンク色をした乳首がツンと勃ち上がってきた。
「かわいい、ツナ」
なるべく興奮を隠して耳元で囁く。胸を揉みながら、唇を首筋から鎖骨へ下ろす。そのたびにぴくぴくと小さく跳ねるツナがかわいくて仕方がない。
たとえ自分であってもツナに傷を付けるようなことは出来ないので、軽くキスを落とすだけに留めておく。本当はこの白い肌いっぱいに、所有印であるキスマークを施してしまいたいのだけれど、この綺麗な肌に痕は付けられない。
だから代わりにぺろりと、そのピンク色の乳首を舐めた。
「ひぁ…っ!」
ツナは乳首が弱い。片方の乳首をコリコリと指で捏ねながら、もう片方の乳首を口に含んで吸ってやれば軽くイッてしまうくらいには。
本日もそのように、片方の乳首を口に含んだだけで大げさに跳ねた。その反応がうれしくて、舐めて吸って、もう片方を指で摘んでそれから軽く弾いた。
「ゃ…っ、それ、やぁ…っ!」
「なんで?気持ちーだろ?」
いやいやと首を振るわりには、声色は至極気持ち良さそうな甘さを含んでいる。なんだか求められているようでうれしくて、もっと聞きたくて、ばかみたいに乳首ばかりを攻め立てた。
いやって言うくせに、舐めたら気持ち良さそうな声を上げて。首を振って抵抗するくせに、吸ってやったらびくびくと身体を反応させる。
かわいいかわいい俺のツナ。
そんな声を聞けるのも、そんな反応を見れるのも、俺だけだ。

だってツナは、俺だけのものなんだから。



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