窓側の一番後ろの席。
ここって結構先生から見やすい席らしくて、俺は授業中寝ることさえもできない。いつもは気にしないで寝てるんだけどな!でも流石に一週間のうち4日も寝たら成績がまずい。
だから、今日は起きていたんだ。

やっぱり授業はつまらなくて、ふと外を見たら他のクラスの女子が体育をやっていて、もしかしたら、と彼女…ナマエを探してみた。


あ、いた。なんて授業中に言葉には出せなくて心の中で言っておく。
長距離をやっているみたいで、ひたすら走っている彼女が目に入った。友達と喋ったり、すごいスピードで1周走ってまた友達と喋ったり、挙句の果て踊りながら走ったりしている。


「ぷっ…ちゃんと走れよナマエ」



いつの間にか声に出していて、先生に名前を呼ばれて注意される。
うわっ俺声に出してたのか恥ずかしい!


先生がまた授業しだしたところで俺は、また外…というかナマエを見た。
相変わらず運動神経が良くて、多分誰よりも足は速い。
そんな彼女は既に走り終わっていて、何故か俺と目が合った。
え、何でだ?見間違いか?

また見ると、やっぱりナマエはこっちを見ていて、見間違いじゃなかった。
俺に手を振りながらぴょこぴょこ跳ねている。


なんだってんだよ!なんであんなに可愛いんだよ…!


「ば…」


罰金100万円だ!
と、叫ぼうとして、急いで口をふさぐ。危ない、今は授業中だった!
いまだに俺に手を振っているナマエに俺は口パクで「 ば っ き ん だ ! 」と伝える。
そしたら、ちょっと首をかしげて、あ、わかった!みたいな顔をしてナマエも多分口パクで俺に何かを伝えようとする。




あ?‥‥‥‥。






口パクが終わったところで俺は顔が真っ赤になってることに気がつく。
ナマエのやつ!!
授業が終わったら罰金だ!もう絶対即罰金決定!
なんだよなんだよなんだってんだよ!そんな嬉しそうな顔してて振って!絶対ナマエは俺を授業に参加させたくないに違いないぜ。
これじゃ成績最悪じゃん。





「ば、馬鹿ナマエ…」

「馬鹿はお前だ!」




つい零した言葉をいつの間にか目の前にいた先生に聞かれる。
あ、あれ…いつの間に…って、思ったら物凄い勢いで怒鳴られた。廊下に立ってろ!だってよ。本当なんだってんだよナマエのやつ!
でも、今の俺は最高に機嫌がいいから廊下にも立ってやるぜ!
最後にもう一度外を見て、どうせ廊下に立つなら、と手も振ってから出た。

やっぱり先生には怒られたけど。でも思うのは、よかった今日は寝なくて、だ
今回ばっかりはこの席でもよかったと少し思う。
これは、ナマエが体育の時はもう寝られないな、と一人思って廊下へ出た。








授業中のメッセージ
(あ、ジュンー!私のメッセージわかったー?)(おかげで先生にすげー怒られたぜ)(それでジュンは?)(俺も、いや俺の方がナマエを「あいしてる!」)





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