お茶をくれ!!の続編ヒロイン
名字名前大ピンチ大ピンチ大ピンチ大ピンチ。今現在まったく動けずに時間がすぎてます。
事の始まりは、観月の大事なティーカップを派手に2つも割ったことから始まって。
決してわざとではないけれど、謝ればすむものを私は何故か逃げてしまった。
そして、観月に追いかけられて寮という寮に隠れた。が、私の部屋に逃げ込んだ時にタンスの角に小指をぶつけてしまった。
笑い事じゃない。
ものすごく痛くてうずくまる。もうこうなったら観月がどうのこうのの話じゃない。
叫び声も言葉も出ないほど痛くてもう動くことすらできない。涙まで出てくる。
「見つけましたよ!」
「‥‥‥‥。」
「どうしてカップを割ったんですか!」
「‥‥‥。」
「聞いてるんですか?!」
「‥‥‥‥。」
「‥‥名字さん?」
ようやく私がおかしいことに気付いたのか顔を覗いてくる。やめろ、と言いたいけれど痛くてそれどころじゃない。
涙と脂汗まで出てくる。ちょっとぶつけただけじゃ、流石にこうはならないけど、おもいっきりぶつけたら流石に酷い痛み。
「どうかしたんですか?」
ほらね、何だかんだ言って観月は優しい。
さっきまですっごい顔して追いかけてきてたのに。
「足…」
「足?」
「小指…タンスにおもいっきり…うっ…」
優しい観月も呆れたようにはぁ…とため息を吐くと一言。
「馬鹿じゃないですか?こういうのなんて言うか知ってますか?自業自得って言うんですよ」
「黙れ黙れ」
「名字さん、ちょっとそこに正座しなさい」
そう言われても小指痛くて無理。
ジンジンする指と観月を交互に見て、結果を出す。やっぱり正座は無理。
それに気付いたのか観月が、踏んで差し上げましょうか、なんて言うもんだから、渋々自分で体制を動かす。
こんな痛かったら動けないし、そもそも最初からカップのことは謝ろうと思ってたし。
正座もきっとすぐ解ける…と思っていた私がどうやら間違っていた。
「名字さんはそろそろ自分の行動に自覚を持つべきです」
「大体、この前だって裕太くんとお菓子を食べて練習の邪魔をしたじゃないですか」
「物もすぐなくしますし」
「今回のことだって…」
そんな話がもうかれこれ30分続いていた。
現在の私の足の状況、すごくやばい。
何がやばいかって、小指の痛みなんてもうない。あるのは痺れ。
私のそばの空気を動かすことでさえも痺れが増して。
「観月さんお話はいつまで続くんでしょうか」
「何です?何か文句でもあるんですか」
「違うんだよ…ほら、その…」
「トイレですか」
「違うってば」
この今の体制見ろよ。とは言えずチラチラと足を見やる。
それがすぐさまわかったのか(何でこういうのはすぐにわかるんだよ)ニヤリと笑った。
嫌な予感しかしない。
「もしかして痺れたんですか?」
「痺れてない」
「なら、こういうことしても平気ですよね?」
「ぎゃああああああああああああ!!!!!!!」
こいつ、足を踏みやがった!
最初は軽く触って、二度目はがんがんと!
「これで割ったことはチャラにしてあげますよ」
「うわあああん!!鬼!悪魔!うわああああやめてえええええええ!ごめんなさいってば!」
やめろ!!
(この前僕のカップに触った女のことを二度と僕に近づかないようにした、と言ったら名字さんはどんな顔するでしょうね)(何でそんなに穏やかな顔してるのこいつ)