「雄二郎さんのどこがいいんすか」
「…はい?」
「だから、雄二郎さんの」
「いや聞き返したわけではなくてね。福田くんの疑問点って変だなぁって」
「だって名前さん面食いじゃないっすか、しかも美人だし。なのに相手が雄二郎さんって…」
「私を褒めてから雄二郎を貶すのはやめようね」
「だから聞いてるんですよ、どこがいいのかって」
「だいたい福田くん私が面食いってどうしてわかるの!?表に出してない!」
「漫画の趣味とかで。あと俺が呼んだらすぐ来てくれるところとか」
「嵌めたわね。というか福田くん、それ自分のことカッコいいって言ってるから!いやカッコいいけど!」
「どーも」
「でも私面食いだからって顔しか見ないわけじゃないのよ」
「それは雄二郎さん見てればわかる」
「…あえて否定はしないわ」
「で、本当にどうなんすか」
「雄二郎のいいところなんていっぱいあるじゃない」
「例えば」
「んー…適当なところとか馬鹿っぽいところとか、たまに暑苦しいところとか?あ、あと阿呆だよ」
「全部悪口」
「褒めてるんだけどなあ」
「どうポジティブに取っても褒めてるとは考え難いですって」
「うーん…一緒にいて落ち着く、かな」
「それあるなら最初に言いましょうよ」
「そうだったね」
「つーかなんで雄二郎さんと付き合うことになったんすか?」
「私がポーカーで負けたのよ」
「なんでトランプ」
「なんでって…勝負事や賭け事といえばカードゲームよ?私ゲームで決めたことは絶対破らないの」
「…名前さんのそういうとこ好きっすよ」
「?…ありがとう」
「じゃあ雄二郎さんから迫られたんですね」
「そうなるかなー。あの時の雄二郎は正直ウザかった」
「と言うと?」
「年下なのに私のこと呼び捨てにしたり、気付いてほしくて嫌がらせしたりーって」
「雄二郎さん小学生みたいっすね」
「でしょう?もうこっちが折れるしかなかったわよ」
「それで賭けに負けて付き合い始めたと」
「そういうこと」
「でも今は好きなんですよね」
「…まあ、渋々付き合い始めたわりには続いてるからね。好きなんじゃない?」
「結婚はしないんすか」
「しないわ」
「うわ即答…」
「福田くん、私の好きなもの三つ上げてみなさい」
「イケメンとギャンブルと漫画」
「ギャンブルは違うわ!」
「じゃあ雄二郎さん」
「………。」
「今雄二郎さんのこと忘れてたな」
「雄二郎はものじゃないし」
「じゃあ何すか」
「お金よ」
「…なるほど」
「あれ?納得しちゃうの?」
「賭け事好きなんでしょ?そりゃ金も好きだろ」
「ってことで雄二郎とは結婚しないわ」
「結局金か」
「人聞き悪いわね、リアリストと言いなさい」
「…それじゃあ名前さん、俺と浮気しませんか?」
「福田くん今すっごい悪い顔したわよ」
「アニメ化もしてるし単行本も売れてるんで収入いいっすよ」
「あら、それは魅力的ね」
「おまけに見た目も悪くないし」
「福田くんはカッコいいわよ。ジャンプ作家の中では一番好みだわ」
「じゃあ考えておいてください」
「雄二郎が嫌いになったら考えてあげる」
「…俺フラれてますよね?」
「雄二郎とはしょっちゅうケンカするけど嫌いになるってことはなかったからね。可能性は低いわよ」
「あんた性格悪いな」

ガチャ、

「お疲れー、って……え?」
「お疲れーっす」
「お疲れ様ですー」
「いや普通に返されても!」
「福田くん、雄二郎来るなんて聞いてないわよ」
「言ってないっすからね」
「やっぱり性格悪いのは福田くんの方だわ」
「というか福田くんと何してるんだ!顔近いぞ!」
「真実言われるのと嘘吐かれるのどっちがいい?」
「真実に決まってるだろ!」
「「浮気についての話し合い」」
「それ俺に言っていいのか!?」
「大丈夫っすよ雄二郎さん。俺ナチュラルにフラれましたから」
「福田くんはいいとこ揃いで惜しいんだけどね。二股とか器用なこと出来ないし」
「出来たらするのか!?」
「さあ?でも出来ないって言ってるんだから安心すれば?」
「名前さん、雄二郎さんと別れたら待ってますね」
「別れないから!」
「というか雄二郎仕事しなさいよ」


相当ハマっているようです
(福田くんに乗り換えようとか絶対考えるなよ!?)(平気よ。福田くんは好きだけど雄二郎は愛してるから)(きゅ、急に何言ってんだよっ!?)(たまには調子に乗せてみようと思って)



120202
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