※変態くさい


「サエ、」
「なんだい？」
「その、お願いがあるんだけど…」
「いいよ、言ってごらん」
「ああああのね！えっと、あの…」
「…そんなに言い難いほど、厭らしいお願いなのかな？俺は大歓迎だけど」
「………お前ら、そういうのは帰ってからやれ！！！」
「ヤれだなんていかがわしいこと言わないでくれるかい？名前が恥ずかしがるだろ」
「片仮名に変換するな！さっきのお前の台詞の方がよっぽどいかがわしいっつーの！！」
「っ…やっぱり無理、サエには頼めない！」
「名前、俺はどんなことでも聞いてあげるよ？もちろん厭らしいことならなおいいけど」
「わっ！さ、サエ！ここ部室っ…！」
「大丈夫、誰も見てないよ」
「俺の存在は完全に無視か」
「あぁ、いたのかい」
「お前な！」
「俺は名前以外見えないよ」
「いろんな意味でだろ」
「サエ離して…」
「相変わらず恥ずかしがりだね」
「ば、バネさん…！」
「頼むから俺に助けを求めるな」
「…で、お願いってなんなの？」
「あ、あのね、その、サエの…」
「俺の？」
「サエ、の…ふ、太股、触らせてほしいの！！」
「………え？」
「太股って…いきなりどうしたんだ名字」
「いや、その、前々からいいなぁとは思ってて…」
「いいってどこが？」
「え？ユニホームから覗く筋肉とか…あと白いからジャージの色に映えてきれいだし…」
「…なんか、変態っぽいぞ」
「…や、やっぱり？」
「ほら見ろ、サエが固まってる」
「もしかして引かれた…！？」
「いや、それはないが…」
「名前！！」
「きゃあ！だ、だからバネさん見てるってば！」
「…バネさん」
「…あー、俺ちょっとダビデに呼ばれてるんだった」
「ちょ、待って！行かないで！」

バタンッ

「…サエ？」
「触っていいよ。もちろん名前限定だけど」
「ほんと！？」
「うん。それで、その後俺も名前の太股触っていいよね」
「…え？」
「見返りが必要でしょ？」
「いや、それはちょっとツラい…！ハイリスク、ハイリターンだよ！」
「ハイリターンなんて聞いたことないよ」
「そんな冷静に返されても…」
「大丈夫、優しくしてあげるから」
「…ほんとに触るだけ？」
「………触るだけ、だよ」
「…結構な間があったけど」
「大丈夫大丈夫。撫でまわすけどキスしたり舐めたりしないから」
「やっぱり嫌ぁ！！」
「逃げないでよ、悲しいなぁ」
「…ごめん」
「うん、いい子だよ。でも反応しちゃったら責任取ってね」
「サエのばかぁぁあ！！！」


「バネさん、今なんか聞こえなかった？」
「…気のせいだろうよ」
「おーいダビデーバネさーん！潮干狩り行こうよ！」
「いいぜ」
「あれ、サエは？」
「まだ部室にいるのかな？」
「あー…あいつ今忙しいから。俺たちだけで行こうぜ」
「そっか」
「俺部室に忘れ物したんだけど…」
「…亮、悪いことは言わねぇ、今はやめておけ。サエに呪い殺されるぞ」
「え？あぁ…うん」


抑えられない衝動
（サエー、私たちも潮干狩り…）（名前は日焼け嫌だろう？）（…も、いいや、諦めた）（えらいえらい）（褒められてる気がしない）



120507