ただのはきだめ 暗い海にたゆたうように、深く深く沈んでいる。身体が揺らぐように、とてもゆったりと呼吸する。刹那、明るい光が音として現れる。はじめ微かだった光は瞬時に頭上から切り抜け、わたくしを浮上させるのです。頭から浮き上がり、そうして身体の真ん中から円心上に光にさらされる。そのような、目覚めであった。 わたしの深海は、まだここではない。 「 ごめんなさい」 貴方の為という薄っぺらい建前で、わたしは言葉を飲み込んだ。熱湯はぬるま湯へと冷めていく。本能的に悟った終焉をひた隠しにして、臆病なわたしは緩く頭を垂れるだけ。どうにも後退り出来ないように思えたのだ。 わたしでは駄目なのだろうかなんて、ありきたりな問答を一体いつまで繰り返すのか。妄想の範疇を越えてはくれないきみと、しかし既に理解しているわたし。苦しむ程にきみを愛する気持ちが邪魔をする。 どこにもいけない、なんて 夜はあまりにも冷たい。あんなに輝いていた星が見付けられない。随分と遠くまで来てしまった。じんわりとこみあがったそれが零れてしまわないようにと唇を噛む。さみしさをひた隠しして、どうしてもわたしは意地を張り通したいようだ。暗闇を抱えながら息を吐く。吐き出せなかった哀しみで背骨がきしむ音を微睡みながら聞こう。暖かな深海に迷い込んで優しく息絶えてしまいたい。 テスト |