2012.01.23ただ、ムラムラした。咄嗟に腕を伸ばし佐助の胸ぐらを掴んで乱暴に引き寄せる。理由は簡単、この甲賀猿は自分から動こうとしない。誘っても無駄。押し倒しても無駄。何時だって何かをするには俺から、で、こいつは鮪。普段訳の分からない片言を吐き出す唇に噛み付こうとした。矢先、だ。 「 」 鼻同士がぶつかって痛い。歯と歯もぶつかったんじゃないか。血の味がする。そもそもこんなガキっぽい稚拙な口付けで、 こんな 自分から出来るじゃねえか。ムラムラがぞくぞくに変わる瞬間。 「今日は逃がしゃしねえぞ甲賀猿」 「お前、色っぽい。常。…狡猾」 随分と艶やかな物言いでどうも。 |