遠征先のホテルのベッド、時刻は深夜4時に差し掛かる時間。

「…ん……うわ、サイアク……」

フットランプだけが薄明るく灯る中、目が覚めてしまった倫太郎は明日、否、今日の試合に備えてもう少し眠りたかったが目は冴えてきてしまう。

枕元に刺してあった充電が完了したスマートフォンを開き画面の明るさに一度目を閉じ少しなれたところでよく見る動画サイトを開く。


[みなさん、こんばんは]

こっそりお気に入りに登録している動画のひとつ、彼女が所属する雑誌の公式チャンネルが出している"専属モデルのプライベート"シリーズ。

[今は神戸のファッションショー終わりでホテルのお部屋に居ます]
[えーっと、私のホテルでのナイトルーティン?を紹介していきますね]
[ホテルでもお風呂はしっかり入りたいのでお湯を貯めて、いつも家で焚いてる香りと同じアロマを少し入れてさっき入ってきました]

すっぴん姿の見慣れた彼女は、見慣れない背景の部屋でスキンケアを紹介し始めた。
目を瞑りながらその声に耳を傾ける。
紹介しているアロマと同じ香りのルームミストは倫太郎もホテルに入ってすぐ部屋に振っている。

[お肌が乾燥しちゃう前にスキンケアも順に紹介しながら塗っていきますね]

聞きなれた穏やかな優しい声が次第に倫太郎の心をほぐし覚めていた眠気を呼び戻す。

画面の中の彼女が“おやすみなさい“と動画を締める前に意識は途絶え、耳心地が良いまま限りなく自宅と近い状態で眠りについた。


まるで隣にいるような




なっがくなってしもうた。。
これを書きながら私が寝落ちをしました。
朝はモーニングルーティン見ながら優雅な朝を迎えていることでしょう。


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