彼、赤葦京治は相当独占欲が強い。
洗面所の鏡に映る自分の全身にそれが如実に現れている。

「もう……また増えた」

至る所に咲き散らかしたキスマークと噛み跡。
前回つけられた跡が消えぬまま昨夜さらに増やされた。

「…ん、おはよう…身体、大丈夫?」
「……おはよう」

これらをつけてきた当の本人はまだ少し眠そうな顔で背後からお腹に手を回しピッタリと身体を密着させて抱きついてくる。
お腹をさすりながら身体を気遣ってくれるのは素直に嬉しいが、そう思っているなら加減してほしいと思うのもまた素直な意見。

「京治くん」
「ん?」
「いっぱい付けすぎ」
「俺のだって印付けておかないと」
「京治くん以外誰も見ないからね」
「!…それはそれで興奮する」
「反省してっ」
「…ごめんね」
「っ……もうっ」

鏡越しに目が合う。
反省しているのかいないのか、眉を下げて申し訳なさそうにしながら言う。


そのごめんねにとても弱い




映画、破壊力が。
赤葦くんのごめんねにみんな弱いはず。


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