視界の片隅にちょろっと映り込み、聴きたくなくても耳から入ってくる会話。

「孤爪君って運動できたんだね〜っ」
「!!…エッ、」
「ほんとほんとっ、腕もげなかった?」
「…いや、ウン…腕は、ついてる…」
「また見に行って良い?次試合いつある?」
「えーと…、しばらくは…ない」

春高の試合を生で見た女子2人が研磨に絡みにかかっている。しかも腕まで触って…

モヤモヤ… どろどろとした感情が支配する。
研磨のことは自分のほうがよくしっているのに、バレーをしている姿を生で見たのは彼女たちと同じタイミングなのが正直少し悔しい。
これ以上情報を取り入れたくなくて教室を飛び出した。



「オヤオヤ彼女チャン、こんちは」
「!ひっ…、く、ろおさっ」
「研磨は?」
「……クラスの、おんなのこに…ちやほや、されてます」
「ハッハ、すげー嫌そうな顔」
「……すげー、いやです…」
「!…ま、良い気分になる彼女なんかいねぇか」

偶然遭遇した黒尾は事情を知ると同情するかのようにポンと肩に手を乗せる。


「クロ」

「!…けんま…」
「おー顔こっわ」
「手」
「へいへい」
「……けんま、手」
「えっ…」

追いかけてきてくれた研磨が肩に乗る黒尾の手を振り落とす。
その研磨の手をさらに握り、先ほどクラスの女の子が触っていた腕を自分のカーディガンの袖でゴシゴシと拭う。

「…触られるの、やです…」
「!…ん」
「あ、俺帰りますネ」


この似た者同士め




映画を観ました記念。長い。
結構研磨さんのお話は嫉妬というか独占欲が強いお話が多い気がする…。2人でのびやかに過ごしな……
また映画見に行かなきゃな。


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