『やばいやばいやばい!!!隣の席角名君の奥様だった!めっちゃ良い匂いするし声も可愛いし上品で流石モデル…てか顔ちっっちゃ!!私の握り拳くらいしかないって!! 多分持ってたユニ私物だし新品のタオルも持ってたからショップで買ってる尊すぎる……。 こっちがびっくりするくらい良い人だった!!』
勢いに任せSNSの入力欄に文字数制限限界まで打ち込み、投稿のボタンを押す寸前でふと我に帰る。
いやまて、角名の奥様はプライベートで見に来ていたはず。それを味方選手のただのファンの一般人である私が勝手に世界に発信していいものか、いや良いはずない。
と思いとどまり削除ボタンに指をスライドさせる。
マナーの良いファンでいなければ…
今日のことは運が良かったな、と心にしまっておくことに。
数時間後、SNSの新規投稿の更新通知が届く。
45秒前に更新されたのは倫太郎のアカウントであり、アリーナの廊下に設置されている"選手との背比べ"と題したパネルの角名とそれに背中合わせで立つ角名の妻、そしてパネルと同じポーズで前に立つ本物が映った写真が載せられ、
『やっと試合に呼べた。楽しかったらしい。撮影は古森』
の文字だけ入力されており、尊さのあまり持っていたスマートフォンをぶん投げてしまう所だった。
決めた、夫婦で推す…
これが書きたかったまである(??)
応援してくれるモブ視点好きなんですよね… 。
夫婦ごと推す。推したい。角名くんにはいっっぱい妻を見せびらかして欲しい。見せびらかすと決めた。