juju | ナノ





 薄汚れた綿の上で白く肌は冴える。
 朝は透明なのを知っている。

「雨ばっかり」

 最近、雨ばかりだ。急にぽっ、と晴れたと思ったら、次はもうずぶ濡れになるくらい降っている。
 おかげで部屋に篭りっぱなしだ。

「これそろそろ洗いたいんだけどな」

 どうしてもシーツは外に干したいらしい。気持ちは分かる。

「傑がシーツにこぼしたカップ麺の汁の跡がめちゃくちゃ気になる」
「でももう洗い替えないんだよ」

 ごめん。一滴だけ、麺の先が跳ねた時にシミをつけてしまった。
 金輪際ベッドの上でカップ麺なんて啜らないので許してほしい。

「シーツ、新しいの買ってもいいかもね」
「誰かさんのせいでボロボロだしね」
「ごめんって」

 カップ麺の汁以外にも色々と前科がある。もともと白かったはずのシーツはいつのまにかくすんだ色味になってしまった。
 そのシーツの上で寝転ぶ白い肌。アンバランスな光景が良くてずっとシーツを買い替えるのを先延ばしにしていた。

「ね、買い替える前にさ」

 いっかいシーツの上でキスしてもいい?


ひかる愛撫
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