心臓が燃える。その熱で魂が光る。 五条は神と人の間にいる何かだと、前からずっと思っている。 「苦しい?」 朽ちた片脚は黒く散り、顔は泥で汚れた。 「あの呪霊、神か何かに近かった」 土地神か何かを形だけ真似たような、無様な呪いだった。いまの私のように。 「△、悪いけど、お前はもう助けられない」 しってる、そんなの。 こんなに痛いのに死なないわけないと思った。 「硝子もたぶん間に合わない」 「しってる」 「ごめん」 五条にまともに謝られたのはこれが初めてだと思った。 力なく萎れたような白髪を頬に感じて、唇の熱さを受け入れた。 「ねえ」 「なに」 「目隠し取ってよ…五条の目…みたいから…」 五条の目が好きなんだ。何処にいても綺麗な海を見せてくれる。羽がなくても空を飛ばせてくれる。 五条悟に看取られるなら、最期にその青さを感じたい。 「いいよ」 その青さ。 「ああ、」 もしかして泣いてるの。 「△、最期にお前を呪うけど許して」 ごめんね、あいしてるよ。 そうか、そうだね。わたしもだよ。 バッドエンドよ永遠に |