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 生まれてくる前、星だったのだろうと思う。

「△」

 空に羽を置き忘れてきた。だから五条悟は天国から滑り落ちてこの部屋に落ちた。

「僕の△」

 あの腕に抱きしめられたとき、星の温度は存外人に近いのだと思った。
 人からは遠く、神と呼ぶにはあまりに獰猛な男だ。

「僕はお前のものだよ」

 頬を撫でるこの手は、私以外の全てを拒絶し、そして私に全てを与える。
 無限の向こう側で、青が燦々と煌めく。

「そう、悟、私の悟」

 唇を受け止めるたび、私の心臓は青くなる。

「僕をひとりにしないでよ」

 瞳の奥に星が見える。やがてこの心臓は青い羽になって、五条悟を天に還すのだろう。


滲む青がさびしいので
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