juju | ナノ





※おはぎ様リクエスト/恵の彼女が甚爾に寝取られる




 触り方が恵に似てるって、そればっかり思ってた。

「おい、抵抗しねえのか」
「したらやめてくれるんですか」
「いや?」

 やめないんじゃん、と思いながら目を伏せる。静かにボタンが外されてゆく。少しずつ肌が外気に晒されて、白く反射する。

「ふうん、あいつはこんなのがお好みなわけだ」

 隅々まで検分するように撫で回される。その触り方。シャツのボタンの外し方。似てる。
 皮膚の厚さも、指の形も、何もかも違うのに、どこかに恵の香りがする。

「なにぼさっとしてんだよ」

 こっち見ろ、と無理矢理顎を掴まれる。その深い緑色の瞳に見つめられると、手に力が入らなくなって、何も考えられなくなる。

「あいつのこと考えてんのか?」
「いや、」
「いまからお前のこと抱く男のこと無視してんなよ」

 ぎゅう、と力を込めて手首を縛り付けられる。こんなことしなくても抵抗しないのに。抵抗しようと思ったって、所詮この男の前では不可能なのに。何をそんなに必死こいて私のことを抱こうとするのか。

「痛くしてやってもいいんだぜ」

 そうやっていつも私のことを揶揄ったり脅したりするくせに、この男は一度たりとも私を傷つけたことがなかった。
 なんで。どうして恵と同じように優しく触るの。同じ緑色の瞳が脳裏にちらつく。恵。助けてほしい。恵。めぐみ。

「あいつが帰ってきたらなんて言ってやろうかな」
「ちょ、言うんですか」
「自慢してやるよ、気持ちよさそうにしてましたってな」
「甚爾さん、」
「△」

 その目で見ないで。恵と同じ瞳で。何も考えられなくなる。やめて。恵にしか触られたくないのに。

「全部お前があいつのもんなのが悪い」


危ういまばたき
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