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※月海様リクエスト/脹相に愛されるハピエン




 背中に口付けると、小さい頭が少し震えた。首の後ろに産毛が生えている。そこを撫でてやると、女は切なそうな目をした。

「なに、私をどうしたいわけ」

 どうしたいのか自分も分からない。抱けば満足なのか。それだけでは飽き足らぬ。それならどうやってひとつになればいい。それともひとつになっても満足しないのか。分からない。

「△、俺にどうされたい」

 何でもしてやると思う。本当になんでも。この女以外に優しくはできないが、その代わり人でも畜生でも望めばなんだって殺してやる。勿論この己自身でさえ。

「…脹相の……」

 切なそうな瞳の端に、涙が溜まって、ひとしずく落ちた。それがこの世のなにより美しいと、知っている。

「脹相の、好きにされたい」

 艶のある髪で、潤いのある唇で、誘うようにそんなことを言う。
 自分で聞いておいて、深くため息をついた。

「△、俺を誘っているのか」
「最初に襲ってきたのはそっちじゃん」
「口付けをしただけだ」
「それはもう襲ってるじゃん!」
「お前を抱きたい、抱いてもいいか」
「脹相のあほ!もう好きにしろ!」

 真っ赤になって叫ぶ彼女のこめかみに、ちいさく口付けしてベッドに雪崩れ込んだ。


わたしもあなたも(あい)くるしい!
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