juju | ナノ





 食べてもいいと言われて、我慢ならなくなった。
 一度味わってしまうとその味が忘れられなくなる。

「△、今日も」
「いいよ」

 ごめん、と謝ると、なんで、と笑われた。

「なんで夏油くんが謝るんだよ」
「いや…君は不本意なのかと」
「嫌だったら嫌って言ってる」

 心配は無用だと、肌を曝け出す。シャツの隙間から白く肌が誘っている。
 それを見るといつもどうしようもなくなる。

「△、すまない…本当に…君が欲しくて…」

 たまらないんだと、涙が滲む。欲しい。その肌。柔らかい産毛。うなじ。全部欲しい。全部、自分だけのものにしたい。他のやつに触らせたくない。

「遠慮しないで夏油くん…君に全部あげるから」

 右手を胸元まで誘導される。その膨らみを手のひらに感じて、いつもよりずっと動揺した。

「あ…」
「夏油くん、我慢しないで」
「…ほんとうに、嫌じゃないのかい」

 少し笑って、指先を噛まれた。その顔。ああ…もう…。

「私はとっくに君のものだよ、夏油くん」


ルビーのしもべ
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