熟語御題シリーズ | ナノ




「あんまりお腹すいてないんだよね」と彼女は飲み干したコーヒーのカップを流し台に下げて肩からずり落ちそうになっていた着古したほつれたニットを手で直しこちらを振り返り振り返った瞬間の顔がいいのだ鼻筋から口元にかけての曲線が美しいのだこの女はぼんやり見つめていると「何見てんの」とクスクス笑いながらソファに腰掛ける自分に湿った足音でぺたぺたと近付いてきてほらまたニットが肩から落ちそう「そなたは麻薬のような女よ」見ても嗅いでも触っても飽きないもっともっと「そなたのせいで我はまるで精神病患者ぞ」

芥子/keshi
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