あるとき庭で池を眺めていたら突然幸村様がやって来て私の腕をがしりと強く掴んだと思ったらそのまま池へと突き落とすので我が家の主はとうとう気が狂ったかとずぶ濡れのまま肩から落ちそうな着物の端を引っ張って呆然としていると何やら恍惚としながら「お前は水に濡れても美しい」などと私の潤った脚を舐めてきたのでそう言えばこれは獣であったなと舌の感覚にぼんやりしそうになる。
朱夏/syuka
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