本当は、ずっと前から後悔していた。 「ねえ、▽」 この人が自分の姉だと自覚したのは幼稚園の時で、諦めたのは中学だった。高校に入って、後悔した。 「なあ、俺さあ」 まだ彼女も居ない。本当は恋なんてしたこともない。説いて説いて説き伏せて、自分は普通の恋を知らない。 「やっぱり、▽のこと、好きだよ」 恨んだものも憎んだものも数知れない。この人が自分のものにならないのが、一番口惜しかった。でも、この人は何も知らなくて、安心していた。 「ね、俺、もう、家族なんて、やだ」 聞かれてたらどうしよう、と今更思って、自分に腹が立った。 春のような電流に青くぼくを色づける |