「……え」
弾んだような声で突然言われて、うそだ、と思っていた。
「違う、うそじゃないよ」
違うよ、と笑って言われて、余計にうそだと思った。違うよ、違う。と半兵衛が可笑しそうにする。え、そんな、うそだ、と返して、信じていなかった。
「だから、うそじゃないよ」
「でも、半兵衛」
「ねえ、いいだろう、最期くらい」
ね、と念を押すように言って、半兵衛が靴を履きだす。思えば、突然でもないような気がした。
「ね、ほら、早く」
半兵衛に急かされる。聞いていたのか、と思うと、目の奥が熱かった。
雨乞い
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