三成の頬が火照っている。体温計を渡すと、四十近くまで出たものだから、慌てて手拭いを絞った。目がとろりとして、潤っている。 「ほら三成、お粥」 蓮華に掬って突き出すと、いやいや、と三成は首を振った。 「え、食べなきゃ駄目だよ」 「……しかし食欲がない」 「ちょっとだけ、ね」 「……ちょっとだけだ」 ほら、と粥を目の前にすると、一寸嫌そうな顔をして、一気にぜんぶ食った。 「あ、なんだ食えるんじゃん」 「……ほんとうは勿体無かっただけだ」 ▽の作った粥だ、と残念そうにする。具合が悪いくせに、三成は空になった椀を蓮華でつついている。かちかちと音の鳴るのに、行儀の悪い、と叱ると、しゅんとしながら布団の中に戻った。 「もう寝なよ、悪化するよ」 「……いやだ」 「寝なさい」 「いやだ、▽が接吻をくれるまで寝ない」 いやだ、いやだと暫く暴れていた。いやいや、と悲しそうな顔にスポーツドリンクを押し当てる。う、と小さく唸って目をつむった。案外冷たかったらしい。 「ほーら、三成は段々ねむくなるー」 「眠くなどなるものかっ」 「ほーらほら、ねむくなるー」 「う」 とろとろと目蓋がおりてくる。そのまま続けると本当に眠った。暫く考えて、三成の口の端を噛んだ。 オンリーワールド |