眠い、と思う。目蓋が異様に重い。喉を開かして欠伸をすると、彼女がそれに気がついて、眠いの、と訊いてきた。こくりと首を折る。 「なに政宗、寝不足?」 「あー…いえす」 「うわ…平仮名表記とか相当ねむいのか」 ほら、と枕を用意してくれる。別に、枕なんかで寝たくない、と小さく思って首を振った。なんで、と彼女が首を傾げる。 「眠いんじゃなかったの、政宗」 「いや、ねみい」 「じゃあ寝なよ、ほら」 「枕じゃ寝ねえ」 なんで、と彼女がもう一度訊いてくる。目蓋が重い。顔もよく見えない。 「▽の膝枕がいんだよ」 「え、やんないよ」 「ちっ、▽のけち」 不貞腐れて、枕に顔を埋める。しばらく経って、軽く、彼女が頭を撫ぜてくる。 「政宗」 声を聞きながら、眠る。政宗、と自分を呼ばう声を聞いて、そこで自分は息をやめた。 日照りの眼 |