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猫が捨てられていたのだという。深く奥に閉ざしたような指先をして、星みたいだと思った。三成は彼女の指先がひどく愛おしい。

「これで何度目になるかな」
「これで四十四回目だ」

空から星屑が突き刺さる。傷口には花が咲いて、おそらくあと十年後には二輪になる。そしていつか、根の国に足をおろす。極彩色の涙が川を潤す。

「また、私の許に来てくれるか」
「うん、行く、ちゃんと行くよ」
「破るな、頼む、約束だ」
「うん、大丈夫、絶対にやぶらない」

薄くって赤い唇が紡ぐ。土の奥には愛が潜んでいる。そうして、必ずまた逢おうと約束をした。最後の最後に捨て猫みたいな口付けをして、手を握り合って空の下に落ちた。

「▽、私は貴様がひどく愛おしい」
「私も、三成のこと好いてるよ」
「貴様なら、その声で耳が焼けても構わない」
「私だって、三成だからいいんだよ」

ただの肉塊になってしまう前に風の中で愛を誓って、そうして二人で泣いていた。いつか必ず相瀬をしよう。そうすれば、きっともう怖くなんかないんだ。




愛しているという証拠
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