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戦場に寝ている。爪先を土に埋めたまま動かない。白い髪を蝶に食わせたままで、死んでいる。

「三成、起きなよ」

血色の悪い頬を撫ぜる。そうして、薄い唇が花のように開いて、呼ばれた。水。

「なに、三成」

まなこだけは固く閉ざされて、呼ばれる。▽、と花が水をほしがる。

「▽」
「うん、なに」
「接吻で、私を起こせ」
「……それやりたかっただけかよ」

花には水を捧ぐ。土には肉と血を食わせて、草になる。いつか水になりたい。




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