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「あんたなんか死んじゃえばよかったのに」

本当に心の底からそう思うよ。だって、あんた、ほんとうに、優しすぎるんだもん。なんで私と出会ってくれたの。なんで私とおんなじクラスだったの。なんで私と友達になってくれたの。なんで私のこと笑わなかったの。なんで私のこと抱き締めてくれたの。なんで恋人になってくれたの。なんで愛してくれんの。

「ねえ、なんでなの、幸村」
「――▽」

▽、と微かに自分の名前を呼ばわって、質問にはちっとも答えずにただ私を抱き締めた彼は、まったく、優しいひとなのである。



水上ダンス
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