30 | ナノ





「そういや今日怪我した」

いつもと同じ、彼との電話。

「は?どこだよ」
「足、擦りむいた」
「何で」
「球技でサッカーしてて転けた」
「だっせー」
「うるさい」

だからあんまり言いたくなかったんだ。だけど何だか会話が広がんなくて、つい話してしまった。

「ツバでも付けときゃ治る」
「ちゃんと消毒しましたよーだ」
「なんなら俺が舐めてやってもいいけどな」

こんなの、電話でしか言わないの分かってる。面と向かって恥ずかしいこととかエッチなこととか言わないの知ってる。でもよく考えたらよーちゃんは心配の裏返ししてんだなって気づいて嬉しくなった。

「なんか言えよ」
「照れてんの」
「照れてねえよ」
「本当に?」
「うっせ、早く治せっつーの」

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