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130809 倉持洋一

困難をのりこえる

久しぶりの野球部のオフで珍しく洋一が出掛けようと行ったから、その日は少しお洒落をして駅前に待ち合わせをした。

どちらともなく手を繋ぎあって。だけど普段あまりそんなことをしないからか、周りからぎこちない感じに見られてないか心配だった。


「ね、あそこ見たい」


そういってわたしが指差したのはシュシュやピアスとかが並んでいる小物屋さんで。洋一は結構こういうのを見だすと、わたしより長く見たりするひとなのだ。


「ピアス開けたいなあ、いいなあ」

「校則だからな」


絶対昔開けてただろ、とか思うけど心のなかで止めておく。いややっぱり洋一は開けてないかな、案外ビビりだし。


「これ嵌めてみろよ」


そういって手渡されたのは可愛いピンキーリング。どっちにはめるの?と聞いたら右なそうだ。やけに詳しい。はめると丁度いいサイズだったので手をパーにして洋一に向けると「まあまあだな」と言いながら外された。

そのままどこにいくのかと見ていたらレジに行ってお勘定をしているもんだから、素直じゃないなあなんて思いながら微笑んだのは内緒のおはなし。


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