mmm | ナノ
130622 平子真子
*甘えんぼうな真子
真子は結構寂しがり屋だったりする。というのも二人きりになると後ろからぎゅーっと抱きしめてくるし、私が何を言っても離してくれないし、かと思ったら急に膝の上に頭を乗せてきて膝枕しろとか言う。挙げ句の果てには昼寝でもしようと寝転がると隣によってきて人を抱き枕よろしくしてくれやがる。
別に嫌なわけじゃない。むしろ心を許してくれているのだと思うと嬉しいし、胸がきゅーってなる。でも、そんな可愛い真子を他の人に話しても信じてくれないだろうし、気持ち悪っ!とか(ひよ里ちゃんあたりが)言って真子をからかいそうだし、何よりそんな可愛い真子を他の人に話すと勿体無いから話さない。
でも、大抵真子が甘えてくるときは何かあったときだって、私は知ってる。前に一度、甘えてきた日にどうしたのって聞いたら、彼はらしくもなく弱音を吐いてみせた。
「俺が、もう一回隊長になってもええんやろうか」
「ん?」
「俺らを信じてくれへんやつや、俺んこと知らんやつらやってめっちゃおるやろ?前の隊長を尊敬してるやつもおるはずや。やのに、何処ぞの馬の骨か分からんやつが急に隊長になって、隊員は動揺しいひんやろか」
今にも壊れてしまいそうな、か細い声で言うもんだから思わずぎゅーっと抱きしめた。私から抱きしめることなんて滅多に無いものだから真子は目を丸くした。
「大丈夫だよ。真子なら大丈夫」
「何で言い切れんねん」
「貴方が貴方らしく今まで通りにしていれば、きっと、みんな真子を信頼して、ついてくるよ。だって、真子だもの」
でしょ?とそう言って微笑みかけると真子はフッと笑って。そーやな、俺やもんな。なんて言いながら立ち上がってキッチンへ向かっていった。
(きっとお礼の紅茶を淹れてくれてるのであろう愛しい彼に、また愛しさが募ったのだった)
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