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130602 土方十四郎

土方さんとタバコ

煙草、臭い。そう悪態を付くと聞かなかったかのようにそのまま紫煙を吐き出すのは江戸でも有名な真選組の鬼の副長さんで。


「ねー、土方さん」

「あ?」

「土方さんはどうしたら煙草やめてくれるの?」


はあ?とでも言いたそうな顔してる、なんて微笑うとぷはーと吐き出される紫煙。この匂いはいつまで経っても慣れないなあ。


「ね、土方さん。赤ちゃんが出来たので、煙草やめるまでとは言わないから控えて貰えませんか」


そう言って右隣に座っている彼と目を合わせないように視線を横に逸らす。あー、言っちゃった。彼はどういう表情をしているだろうか。右肩を掴まれた、と思うと顎を掴まれて無理矢理土方さんの方に向かされる。混じり合う視線。


「俺の、子供か?」


少し狼狽えたような、なんとも言い難い表情をして土方さんはそういった。


「心当たり、ないんですか?」

「いや、まあそうだが」

「煙草、どうしますか?」


そりゃおまえそんなの、なんて言いながら加えていた煙草を灰皿に押し付け、はあと溜息をついた。


「そのまえに結婚だろ?」


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