A:死体崩壊
1.自家融解 autolysis:組織内酵素の死後活性化→組織の破壊
胃酸による胃粘膜の穿孔など。
臓器 (特に膵臓) の軟化。
死胎 (浸軟児):子宮内 (無菌) で胎児死亡→腐敗せず融解

2.腐敗 putrefaction
腸内細菌中の腐敗菌 (大腸菌など) によりまず起こる。
環境 (外因) 由来:ブドウ球菌、変形菌

*腐敗の進行する条件
温度 (至適20〜35℃)
空気の流通 (ただし良すぎると乾燥)
水分

腐敗の進行速度=地下:水中:空気中=1:2:8 (Casperの法則)

*腐敗現象
a.変色
硫化水素により菌の多い側腹部から淡青色になる (24〜36時間で出現)。
腐敗網:溶血した血色素が血管外に染み出て樹枝状に変色 (暗青色、暗赤褐色)。
上胸部、下腹部、大腿部に好発。

b.腐敗ガス、腐敗水疱
腸内ガス増加→腹部膨隆→鼻口:腐敗泡沫液・胃内容、肛門:脱糞
皮下組織にガスの貯留:眼窩、陰嚢から→全身にたまると巨人様化
表皮と真皮の間に腐敗水疱 (暗赤色液状腐敗産物貯留)
臓器は腐敗ガス疱、腐敗水疱でスポンジ状 (泡沫臓器)
臓器は軟化、泥状化、液体化して融解するが、前立腺、子宮、膀胱は腐りにくい。

3.白骨化:腐敗→硬組織のみ残存
(地上:1〜数カ月、地中:2〜3年、5〜6年で崩壊)
 
4.動物の損壊
蛆が一番よく食べる。
次いでカラス、ゴキブリ、アリ、ネズミ、キツネ。
海中:エビ、カニ、タコ



(転載元)関西医科大学法医学講座
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