その他 | ナノ



いつからだろう。君を知って知りたくなったのは…
出会いは普通でもなく素敵でもない。それは私達が正義と呼ぶ、それがきっかけだった。

初めて聞いたのは学校のクラスメイト達が話しているのが耳に入った時だった。噂になってる少年がいると。良い噂ではない、悪い噂。そんな彼がどんな人なのか気になった。でも噂なら、私にもあった…だって同じなの、彼と私は…。どこか似てる。そんな気がした。

私は普通の人間、のはずなんだ。でも周りの子達よりちょっと身体能力っていうのかな?それが良いみたいなんだよね。それが原因なわけじゃないけど、私の性格とかのせいで中学に上がってから変な人に絡まれてばかりで毎日喧嘩。女だけど普通に殴るし蹴る。やられる前にやり返してしまう。それから私は他の学校の生徒にも絡まれるようになり…変な噂も流れ、絡まれる事も多くなった。
不良になりたいわけじゃない、ただ普通に学生生活を楽しみたかったのに…いつの間にか毎日絡まれて喧嘩して殴り合い。周りには怖がられ問題児扱い…酷いよね、困っちゃう。

そしてそんなある日、私は最悪な出会いをした。でも出来れば素敵な出会いを望みたかった。一応年頃の女の子だし、そういう風に思うのが普通でしょ?

「あなたが噂の不良くん達に絡まれても皆ぼっこぼこにしちゃう人、だよね?」
「は?」

出会いは戦場
絡まれた(正確に言えば私がぼけっとしててぶつかったんだけど)私を見つけた彼。私が手を出す前に彼の右手が相手の頬を殴った。でも負けず嫌いだから、彼を背後から殴りかかってこようとした人を彼より先に殴ってやった。
そしてこんな状況で私からの一言がこれ。呆れたような顔で私を見る。

「あなたに会いたかったんだ」
「物好きなやつもいるんだな」

笑って返事をすると、鼻で笑い眼鏡を外した。彼の顔は夕日が邪魔して逆光しちゃったけど素敵な顔をしてたんだんだと思う。
夕日のせいで飛び散る血も芸術のような橙色に染まった。その色は私達の制服に大小様々な水玉模様を付ける。

「森次玲二」
「あぁ そうか」
「噂って本当に素敵よね」
「慎城さち、だろ?」

あぁ、 本当に噂って素敵
漫画のような出会いじゃなくても素敵な出会いってあるものなんだね
私達の出会いは戦場。お互いを噂で知っていた…それだけで運命って呼べるんじゃない?

「玲二となら仲良くなれる気がする」
「会って早々、呼び捨てってどうなんだ?」
「記念、記念!」
「…何の?」

生まれて初めてなんだよ、こんなにわくわくした人との出会いは…
でもこの感情は秘密だよ。自分でもまだよくわからないから…なんて、本当は恥ずかしいだけなんだけどね。

「あなたに会えた事に、だよ」

これを運命と書いて奇跡って呼んでもいいのかな?

「だからよろしくね」



back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -