クラスタ
我が家のKKクラスタ、マコトさん。
「KKさーん!!!」
「…げっ」
「昨日お仕事でしたよね!僕見かけましたよ!」
「お、おう、そうだな」
「それでですね、今日お疲れかと思ってお菓子作ってきたんですよ、食べてくれますよね?」
「お、おう」
「………どうですか?」
「…この菓子ならもうちっと甘くていいんじゃねぇのか?」
「ホントですか!!分かりました後日持ってきますね!!!!」
「え、いや、もういら」
「それじゃあまた明日!!!!!」
「人の話聞けよ…」
でもあの人怒ったら怖いのよ
何かの肉が切れたような潰れたような変な音が辺りに響く。真っ赤な液体を噴出しながら赤黒い何かが足元に転がる。今日も僕の鋏は良く切れる。毎日丁寧に研いでいるのだから当たり前なのだけれど。
「KKさんに何をしようとしたの?」
返事は返ってこない。当たり前だ、俺の手で、今、殺したのだから。殺した理由は単純明快。KKさんに銃口を向けた。
「私の前でKKさんに何をしようとしたのかな?」
やはり返事は無く。まぁ、返事なんて聞く気などない。聞く必要が無い。KKさんに傷をつけようなんて奴は全部僕が殺してあげる。誰一人残さず。
「そういえばKKさん、今日もかっこよかったなぁ」
でも隣で一緒にお仕事してたAKさんは本当に羨ましいなぁ。KKさんの双子の兄で、とても強くて。KKさんに養ってもらって。あぁ、とっても羨ましい。羨ましすぎて殺したい、殺したい、殺したい。
KKさんの兄だなんて羨ましすぎて本当に殺して俺がそこに居座りたいよ。
「明日はKKさんとお仕事かぁ」
大変だ、今日は楽しみすぎて寝れないや。
マコトは今が幸せなら、それでいい。あわよくばKKさんの死体が欲しいけど、我儘は言わない。
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