ちきちき
ちきっ…きちった。
「…だるい」
ぼそり。
呟いた言葉はいつも吐く台詞。
演じた時のものが移ってしまったらしい。
「仕事しなきゃな…」
数ヶ月前にCKが死に、一週間前にAKが死に。
裏の人間は皆、早死にする。
そういや、一ヶ月前はニッキーだったっけ。
「つまんねぇな」
暇で仕方ない。
方舟は最近見ないし。
もしかしたら知らない所で死んだのかもしれない。
「みんな死んでくなぁ」
「誰もいなくなったなぁ」
賑やかだった俺の周りは静かだ。
何の声も聞こえない。
何の姿も見えない。
何もかもが、
「…あー、あ、やる気失せた…」
ぱたり。
どくどくどくどく。
「血が足りねぇ」
撃たれた。
めんどくさい。
このまま死のう。
「ちぇっくめいと」
「ちぇ、また死んじまった」
≪主、また遊んでるのか≫
「遊んでねーよ。メインの一人だぜ?」
≪それは…まずいんじゃな≫
「だよなぁ」
仕方ねぇな、戻すか。
ぱっちん。
…
……
………
…………
……………
………………
ぱちり。
「あ?」
目が覚めた。
不思議だ、死んだはずだけど。
「…夢か?」
まさか。
あれだけリアルに痛みがあって血の温もりがあったのに。
「KKぇー腹減ったー」
ゆるゆるだるだるの声が聞こえる。
あぁ、アイツの声だ。
夢だったのか。
「はは、全部なくなるなんてそんな夢」
最悪だ。
しかし歴史は繰り返されたらいいね。あれっ、誰も幸せじゃない。どう言う事なの。
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