双子と双子
※そんな感じでUKとNKの二人
※若干モブが死んでる
UK「……………尚規」
NK「ん?何だよ兎紀」
UK「…何してる?」
NK「あぁ、ちょっとうぜぇ事言いやがるから殺してた」
UK「あんまり、目立つ事するなよ」
NK「別にこれくらいバレやしねぇって」
KK「おいおい、んな堂々と殺ってバレねぇってのはおかしいだろ」
AK「KKぇーあれ俺のなんだけどーどうしてくれんのー」
KK「俺に言うな」
NK「あ」
UK「…ほらな」
冷え込む月夜の晩、とある大きな廃ビルで断続的に悲鳴が聞こえていた。
10階あるフロアの内、8階辺りから叫んだり、喚いたりする声が響く。
数十分して悲鳴が聞こえなくなったかと思うと、また助けてだの死にたくないだのと聞こえる。
延々繰り返される悲鳴に、このビルの清掃を請けた掃除屋は小さく舌打ちをして中へと入っていった。
「おい、逃げんなって」
「な、何だ!誰だ貴様!何で、俺は!」
いかにも平凡そうなスーツ姿の男は、片手に大きなチェーンソーを持ったダッフルコートの男からゆっくりと後ずさりする。
傍目で見ても分かるほどに、チェーンソーは凄まじく動いているのに、音はそれほど聞こえない。
しん、とした廃ビルの中では十分響く大きさの音ではあるが、その小さな音でさえ聞こえないくらいにスーツ姿の男は切羽詰っていた。
怯えきった目で見つめられているダッフルコートの男は、ふざけながら男の言葉に返答した。
「何でだぁ?簡単に言えば、生贄的な」
「生贄だと!ふざけ、る…っあ、熱い!背中が!熱い!熱い熱い熱い熱い!」
ふざけきっているような言葉にスーツ姿の男は言い返そうとするも、背後に突然大きな痛みを感じ、言い切ることは出来なかった。
スーツ姿の男の背中はメラメラと真っ赤に燃えている。
何かが焼ける特有の焦げ臭さが8階のフロアに充満した。
その場で蹲って、ボソボソと呟く事しか出来ないスーツ姿の男の炎で、その周囲がぼんやりと照らされる。
スーツ姿の男の前に金髪で血の気の無い顔色をした男 ― Mr.NK。
スーツ姿の男の後に茶髪で伏し目がちの気弱そうな男 ― Mr.UK。
二人は色と持っている武器こそ違えど、その姿のほとんどは同じであった。
「…話せずに、さっさと殺せ」
「別にいーじゃねぇか、少しくらい」
「時間の無駄」
「お兄ちゃん冷たい」
「………」
おちゃらけながら、ほぼ死んだも同然なスーツ姿の男の炎を、焚き火でもしているかのように片手を暖めているMr.NK。
その様子を傍目で見ながら、Mr.UKはフロアの出入り口を気にしていた。
「つーか兎紀、さっきから出入り口をチラッチラ見てっけど、何か居た?」
「…鼠か、猫か…多分猫じゃないかな」
「お、久々に釣れたか。頑張れ」
「尚規…」
「…分かった、分かった、やるって」
UKとNKは成り代わるまで、生命維持の為に他人の命吸ってないと人形に戻るって事でいいんじゃないかな
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