裏道 | ナノ


ろくでもねぇ

 


※すっげ短い







「ろくでもねぇな」



ビルとビルの間から見た空はとても狭かった。

煙草の煙が辺りに漂っている。

ついさっきまで、標的が口にしていた煙草。

俺と同じ銘柄の、煙草にしては甘ったるい匂いのするそれ。

ホントは逆で、標的と同じ銘柄に俺がした。

今みたいな事に、いつかなりそうで怖くて、だから。

それなのにどうしてこうなったんだろうな。



「あれ、ただの冗談だったのに」

「なぁ、今のお前は俺をどう見てるんだ?」

「憎んでるか?怨んでるか?怒ってるか?」

「それとも」



これでよかったなんて言いながら、笑ってんのかな。

この甘い匂いのする煙を漂わせながら。



「ろくでもねぇよ」

「何で、弟の俺が、兄のお前を殺さなきゃならなかったんだ」

「ろくでも、ねぇ」

「何で、俺は、笑ってんだろうな」

「あぁ、ホント、に、っ……ぅ、ろくでもねぇ、世界だ」



生きてくのが、突然面倒になったよ。












思いつき。以下略
ちょっと聞いてたらつい


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