竺錯昔話
!時代背景は適当←コラ
!場所は日本
!予定は未定←
ミーンミン、と蝉がうるさく泣いている。
まるで、今この時、この場所で起きた一つの事件を音で掻き消さんばかりに。
崖の上で立ち尽くす少年は、ただジーッと見ていた。
たった今、己を庇って落ちていった兄の姿を。
数分後、少年は涙で顔をぐしゃぐしゃに歪めながら走り去った。
日本のとある場所に住む、少年の名前は「錯」と言った。
その少年には十ほど歳の離れた兄が居た。
兄の名前は「竺」と言い、二人は双子か、という程に姿が似ていた。
ある夏の日、錯は「川へ行きたい」と言った。
弟に甘い竺は、普段なら許可をくれる筈が、今日に限って何故か許さなかった。
しかし錯が反対を押し切って、家を飛び出した為に竺も仕方なくついていった。
夏真っ盛りの山は蝉がうるさく鳴いていた。
それでも、川のせせらぎは聞いているだけで涼になった。
錯は暑い中、汗をかきながら走ってどんどんと奥へ進んでいく。
竺は錯の姿を見失わないよう、追いかけるのに精一杯だった。
気付けば、錯は川の上流に居た。
そこは川の流れが激しく、岩肌が削り取られて鼠返しのような崖になっていた。
何に興味を持ったのか、錯は身を乗り出すようにして川を覗き込んだ。
が、そのせいなのか体重をかけていた手の下にあった石が崩れ、錯の体はグラリ、と傾いた。
ようやく追いついた竺は、我を忘れたように錯の元へと走り、何とか落ちるのを止めた。
錯を守るかのように川を背にして、錯に「大丈夫?」と問いかけた。
少し涙目になっている錯を落ち着かせる為に、竺はトントンと軽く背中を叩く。
ようやく落ち着いたのか、錯は小さな声で「ごめんなさい」と言った。
その様子を見て竺は頭を撫でながら「帰ろうか」と立ち上がった。
小さく頷く錯は、歩き出そうとした瞬間、足を滑らせた。
当然、後ろには竺が居るのだから落ちる筈は無かった。
足場が、崩れさえしなければ。
錯は軽く前へと押されて、躓き、こけてしまった。
振り返れば、ビシッ、と何かにひびが入る音と共に、竺は落ちた。
崩れた岩と共に、流れの激しい川へと、落ちていった。
二、三日して、下流の方で水死体が発見された。
不思議な事に、着物は血で真っ赤だというのに体に一切の傷は無く、まるで寝ているかのように安らかな顔で川岸に流れ着いていたという。
大分ズレたけどこんな感じでおk!←
言いたい事、それはつまり、竺さんは錯を庇って死んだって言いたかったの
この人落ちた時絶対笑顔だぜ笑顔
書き始めた理由が
竺さんと錯さんは、見た目的に差が無いけど、年齢的に差はあってほしい
っていう何ともアレな理由からでした
prev / next