例えば、ずっと好きで、でも告白なんか到底できないような子がいたとする。多分誰よりも俺は女の子にモテるけど、その子に振り向いてもらえなきゃ、そんなものは何の意味も無くて。「すきだよ」と語る俺の口を、俺自身を、その子はいつも不思議そうな目で見つめる。

「どうしたんですか、及川先輩」

そうふわりと笑んだその子は、俺よりふたつも年下の、年相応な顔立ちの女の子。「特別美人なわけではない」と周りの奴らは言うけれど、そんな周りの評価なんてものはどうでもよかった。俺はこの子が世界で一番可愛いと思うし、この子が世界で一番、好きだと思う。その気持ちは、今までもこれからも変わる事はない。そう思えるほどに、彼女は俺の中でキラキラと輝いている。彼女のまわりにチカチカと光る星が浮いているせいで、俺の頭はいつもクラクラしてしまうのに、彼女は相も変わらず俺を見てくすくすと無邪気に笑みをこぼす。その顔、すごく、かわいい。そうゆっくりと呟きかければ、きょとりと目を丸くさせて、彼女は困ったように眉尻を下げてから、俺の後ろを見て目をきらきらとさせて笑った。鈴のような声が、聞こえる。

「国見くん!」

そう、後輩の名前を呼んで。
俺じゃない男のところに駆け寄ってく彼女を見るのは、これで100回目。









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