陶酔
個性より強く香れとパルファムを
選ぶ彼女の指先にキス
一人きり流行り映画に浸るとき
【逃げてるだけだ】の台詞が痛い
理解でき(ワカラ)ない感情(ココロ)が揺れて流された
涙は少し柔らかかった
目が眩む赤フィルターに隠されて
あなたの色がうまく見えない
好きになり愛を持つまで待てなくて
無駄になるのは清さ儚さ
古ぼけたブルーパックのミルクティー
載せたソーサーひび割れた青
忘れるかそうしないかは問はないで
愛しているかその手で問うて
終わりとは花の散るより呆気なく
君の別れを告ぐより急に
雨音の掻きたてていく抱擁の
熱は不安を悦びとする
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