あなたの言葉


 この町で暮らした
  この匂いに包まれていた
  そんなことも忘れて
  私は歩くのだろうか

 夢を追う夢を見て
  笑いあう日々がいいなと
 何を考えるでもない
  あの頃とは違う人だね

  一人で平気と
 言った私をあなたは
  叱ることも赦すこともなく
  ただ見つめ続けた

 わかるよわかると
  頷けない言葉に無理をして
 繋ぎ止めたはずの友達は
  私を通りすぎた

  素直になりなよ
 アンタはアンタにしかなれへんの
  あなたはいつもそうやって
 私を包んでたのに

 私はいつでも
  笑顔絶やさずに無理をして
 手をとりあえていた友達を
  そっと突き飛ばしていた

  私はこうして
 自分を抱き締めたままで
  身勝手だと知ってるから
 好きな人と生きるのが辛い

  もしも私を
 赦す人がいるなら
  いつかその人と
 幸せになりたい





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