雨色吐息
君色に染む新品のパーカーが
涙のみこむ秋の始まり
理解することが叶わぬことであれ
追いかけるのは止めたくないな
感情と理性本能その躯
我が物顔で飼い慣らせない
梅味ののど飴欲す風邪気味の
喉はそれでも君へと唄う
射るような視線と潤んだ双眸は
女のような少女のような
触れられる人が大事と言い聞かす
アイドルよりも妄想よりも
書き殴るくらいでいいの私との
思いで全部棄てないでいて
言霊のように褒めてはくれぬなら
騙すつもりで髪を撫でてて
陽に透ける砂埃舞う 咳をする
青スニーカー少し睨んだ
しんなりとこうべを垂れる枝葉には
雨に打たれる勇気があった
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