短歌A


埋まらない方程式の片隅に
迷子の涙預けてみたり

なつかしいあの日の味を噛みしめて
いいため息だ 桜散る道

あたたかな涙はらんだ道ばたに
勿忘草の枯れた色水

それなりに愛していたと言った君
格好わるい 全力の人

雨夜月 冷えきるほほを撫でたまま
はがゆさ残すくちづけ下さい

何もない私をあなた選んだの
昔の恋人(ひと)の匂いしたから

叶わない想いをのせて風は吹く
行くあてさえも何も告げずに

湖に咲いたふたりの恋の華
きらめきながら朽ちていくのね

もう少しもう少しだけ大丈夫
あと一滴で私死ねるわ

似合わない女優気取りの科白だけ
涙忘れて喉に絡んだ

その先を信じ歩いた細い道
残り香はらむ若い血しぶき

純愛を演じることに疲れたの
さよならどうか今日は寝かせて

アリンコの巣をつついては笑いあう
無邪気な罪はそこに生きてる

言葉より大切というものだって
声にださなきゃ伝わらなくて

泣きたいと思える日こそ笑えれば
明日の続きをとべる気がする

青白い炎に灼けたてのひらは
人間愛の禁忌の匂い

どこまでも広いフリした水の中
果てない夜を泳ぎましょうか

サヨナラとオハヨウまでの日だまりに
 君の涙を拭いたいんだ

泣いたのはあなたの笑顔見えたから
星くず抱いて光隠して

泣きぬれて愛したことは忘れても
記憶を撫ぜる愛された日々

色づいた頬を両手でおおっても
ちらりふりむくその耳の赤

愛なんてここにないことわかってる
ただ唇がぶつかっただけ

冷たいと言われる為に生きている
この言い訳もあきた今日の日

ありふれた幸せみたいなこのカンジ
続きみたいな 明日ほしいな

少しずつあきらめのつく想い出は
今の私を少し殺した




12.07.06

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