風紀×不良


最近、佐藤の様子がおかしい。
廊下を歩いていて、正面からやって来たと思ったらこちらの顔を見た途端踵を返して逃げ出す。その上顔を合わせようとすらしない。電話は着信拒否、メールも応答はない。
というのも、先日なかなか靡かない天の邪鬼なアイツを無理矢理拉致監禁して三日三晩犯したのは俺なのだけれど。
それ以外は全く心当たりがなかった。

「それ以外は本気でねえんだよなァ。それ以外は」
「それ以外になにがあるってんだよクズ野郎」

風紀室のソファに手首をネクタイで縛り上げた佐藤を転がし、馬乗りになる。どうにも心外な事を言われたが、カタカタと身体を震わせているのを見て満足した。さすが天の邪鬼。

「なんだ。つまりあの日から俺の事を見るとドキドキしちまって会うのが恥ずかしかったんだよなァ?安心しろよそれは恋だ」
「違ぇわ!何を間違えたらその考えに行き着くんだよ馬鹿か」

ぷちぷちと佐藤の制服のボタンを外していけば、適度に筋肉のついた身体が覗く。それから先日そこら中に口付けていた赤い跡が変わりのない事を確認した。

「じゃあ、なんなんだよ?」
「っ、それは、」

言葉に詰まる。何故なら俺に恐怖していることを認めたくないから、悟られたくないから。
最高だ。お前の中に一秒たりとも忘れられない俺がいる。

「それは?」
「……だ、誰でも強姦魔に会いたいなんて思わねえだろ……」

視線を反らし躊躇いつつも言われた言葉に片眉をあげて見せた。

「残念。その解答じゃ不十分だ」
「な、っや、」

やめろと叫ぼうとした口を強引に自分のそれで塞ぐ。

「もう一度ヒントをやるよ」
「っ、」

答えが出るまで何度でも。
きっと彼は答えが出たとしても、素直に口には出さないのだろうけど。


2013,1023.わたし風ヤンデレ。




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