無茶をしてはいけません



最近お互いに忙しくて、なかなか二人だけで過ごす事が出来なかったのだが、今日やっと二人とも予定をあける事が出来た。
そんな訳で、今日は敦貴の部屋で朝からのんびりと二人きりの時間を満喫していた。
特に二人で何をする訳でもなく、それぞれ好きな事をして過ごしていた。
敦貴はずっと本を読んでいるし、陽介はさっきまでゲームをしていたのだが、それにもそろそろ飽きてきた。ゲームの電源をOFFにすると敦貴の隣まで移動して、ひょいと敦貴が読んでいる雑誌を覗き込んだ。

「ゲームはもう終わったの?」

敦貴が視線だけこちらに向けて聞いてきた。

「ああ、今度は敦貴と一緒に雑誌を読みたい気分なんだ。」

「なにそれ?別にいいけどさ。」

敦貴はおかしそうにクスッと笑った後、雑誌のページをめくる。

「これってこの前、俺が持ってきた雑誌?」

「うん。」

それは以前陽介が持ってきたファッション雑誌だった。

「この服とかさ、陽介に似合いそうだよね。」

そう言って指差されたページには、白地にオレンジ色で肩から背中にかけて模様が描かれたTシャツで、陽介も結構気になっていたものだった。

「あー、これ。俺も結構気になっててさ。買うかどうか迷ってたんだよな〜。相棒がそう言うならやっぱり買おうかな。」

「うん。いいと思うよ。」

今度一緒に沖奈に買いに行こうかなんて言いながら、二人でしばらく雑誌を見ていた。
不意に敦貴が陽介の方へともたれかかってきて、急に近くなった距離にドキリとする。

「なんかちょっと目が疲れた。」

「お前ずっと、本読んでたもんな。」

「うん。雑誌読む前に小説一冊読み切った。」

「マジかよ?!」

「うん、マジ。」

目を瞑ったままもたれかかる相棒に「じゃあ、目の疲れが早く取れるようにおまじない。」と言って、閉じられたままの瞼にそっとキスをした。

「そのおまじないは他にも有効?」

「ん?」

どういう意味だろうと聞き返せば、スラリと長い敦貴の指が自分の唇をトントンとたたいた。その意図をくみとって、陽介の口元に笑みが浮かぶ。

「そうだな、他の場所にも有効かも。」

敦貴の体に腕をまわすと、ゆっくりと床の上に押し倒した。
先ほど指で示された唇に啄ばむ様なキスを繰り返した後、今度は深く唇を合わせた。

「んっ、ふぁ…んん。」

舌先で唇をなぞった後に口の中へと舌を滑り込ませて、敦貴の舌を絡めとる。
息継ぎの合間に零れる甘い声に気を良くした陽介は敦貴の脇腹へと手を這わせ始めた。
陽介の手が動く度に敦貴の体がビクビクと震え、陽介の服を掴む手にギュッと力が入る。
脇腹から前へと手を移動させて胸の突起を指の先で引っ掻くと体が大きく跳ねた。

「こら、おまじないはキスだけだろ。」

「そうだっけ?でも、ここはもう硬くなってきてるよ。」

敦貴の股間で硬くなり始めたものをズボンの上から握りこむ。

「あぁっ、だめだって。」

陽介の手を剥がそうと敦貴の手が腕に絡みついてくるけれど、握り締めた敦貴のモノをヤワヤワと揉み始めると、甘い刺激に力が入らず押し返す事も出来ないでそのまましがみ付いてきた。

「昼飯の前に敦貴を食べていい?」

「はぁっ、…陽介、それおやじっぽい。」

「でも、このままじゃココ辛いだろ?」

ズボンの上から揉み続けていたそこは既に硬く張りつめていた。手早くベルトをはずしてファスナーを下げ、下着の中へと手を滑り込ませる。

「くぅっ…。」

敦貴の瞳から零れ落ちた涙を唇で拭い去り、直接触れた雄からは先走りの液がトロトロと溢れだしている。先走りを塗り込むように親指の腹で先っぽをクルクルと擦ってやれば、気持ち良さそうに身を捩らせながら震える様に息を吐いた。
一気にズボンと下着を剥ぎ取ると、手を伸ばして敦貴の机の引き出しからローションを取り出し、敦貴の後孔へと塗り付けた。
皺をなぞるように撫でた後、人差し指をゆっくりと挿入する。クチュクチュと卑猥な音をたてながら解す様に指を動かせば、強請るように腰が揺れる。

「敦貴かわいい。気持ちいい?」

「ん、きもち、いい。でも、ずるい。」

「ずるい?」

「今日は…俺の、番だろ。」

どうやら『前回自分が下だったのだから、順番的に言えば今回は俺が上だ』という事らしい。まあ確かにそうなのだが…

「でも、ここまでくるとすっかり上の気分というか…、敦貴だってココに俺の入れて欲しいだろ?」

いつの間にか後ろに入れられている指は二本に増えていて、トロトロに解されたそこはもっと太く大きなモノを欲しがるように入り口をヒクヒクと動かしていた。差し込んでいる指で前立腺を擦ってやれば、ビクッと大きく体が跳ねた。

「あああっ」

「ほら、どうする?ここはもう俺のが欲しくて仕方ないみたいだけど?」

まるで逃がすまいといったように陽介の指を締めつけてくる穴の中で、焦らす様にゆっくりと指を動かした。

「いじ…わる、する…な。早く、入れて。んんっ。……でも、絶対に後で陽介にも、入れる…からな。」

「へいへい、構わないぜ。ただし、その時お前の腰が使い物になったらだけどな。」

陽介は敦貴の後ろに埋め込んでいた指を引きぬくと、己の昂ったモノを一気に奥まで突きさした。

「ばっ!アアーっ!!」

いきなり貫かれた衝撃に、敦貴の口から悲鳴の様な声が漏れる。
そのまま息つく暇も与えずに激しく抽挿を繰り返した。

「やっ、激しっ……こわ…れるっ。」

「お前の中、ギュウギュウ締めつけてきてスゲー気持ちいい。」

熱く柔らかい腸壁が陽介のモノを締めつけ、あっという間に全て持って行かれそうになる。気持ち良すぎて抑えが効かない。
一人で先にイってしまうなんて情けない事態にならないように、敦貴のイイところだけを狙って突き上げ、一気に追い詰める。

「や、もっ、無理。イくっっ。」

敦貴が一際高い声を上げたと同時に敦貴の白濁が二人の腹の上へと飛び散った。陽介もまた己の熱を彼の中へと吐き出したのだった。
結局その後、抜かずに三度もした後、掻き出してからまだ二度するという暴挙にでて敦貴の腰は起き上がる事すら出来なくなってしまった。

「腰痛い。」

「ごめん。」

「全部中出しするし。」

「すみません。」

「五回もするとか信じられない。」

「やりすぎでした…。」

「しかも今回は俺の番だったのに………。」

「いや、でもそれは…。」

言葉を続けようとした陽介をさえぎるように鋭い眼光が貫いた。ヤバイ。ここで余計な事を言ったらきっと殺られる…。

「おぼえてろよ。次する時は足腰立たなくなっても貫いて、声が出なくなるまで喘がせて、孕むまで中に出してやるからな。」

そう言い放った敦貴の顔は笑顔だったのに、目はちっとも笑って無かった。
あまりの恐怖に心の中で悲鳴を上げた陽介は、もう二度と敦貴を怒らせるような事はしないと心に誓ったのだった。






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