恋心7


■土曜日の続き(おまけ)

自転車でゴミ置き場に突っ込んでポリバケツを被ってゴロゴロ転げまわっていたり、臨海学校で千枝と雪子の水着を買ってきたり、河原でいきなり殴ってくれと言い出したり、今週の月曜日に俺の事好きって言ったり!
とにかく毎回色々と俺の事を驚かせてくれるけれど、今回も結構びっくりした。
さっきまで俺の下でアンアンよがって、後ろに俺のモノを咥え込んでイクと同時に失神したくせに、もう復活して俺の事を押し倒してるとか何の冗談だろう?
後ろは初めてだったのに体は辛く無いのだろうか?そんなに痛くなかったとか?
……いやいや、入れる時はかなり辛そうだった。
切れこそしなかったけど、結構痛そうだった。
知らないうちにディアラハンでもかけたとか?
………そんなわけ無いか。

そんな相棒の考えをよそに、陽介は大変ご機嫌な様子で敦貴の上に覆いかぶさった。
行為の前は緊張と未知の行為に対する少しの不安に。行為の最中は羞恥と快楽で色々余裕の無かった陽介だが、バージンを敦貴に捧げた事で何だか色々吹っ切れた。
確かにケツは痛いし、多少体も辛いけど、そんな事は問題じゃない。
ヤりたい盛り高校2年生。テレビで鍛えた体は伊達じゃない。
今日を逃せば次はいつになるかわからない。とうい訳で…

「謹んで頂かせいただきます。」

「………どーぞ召し上がれ。」

ちょっと呆れた様子の相棒は、最後には笑ってそう告げた。
唇を合わせた後、力を抜いて横たえられた肢体を舐めてゆく。
敦貴が自分にしてくれたように、いや、それ以上に彼を気持ち良くしてやりたい。
舌と指、手のひらを使って体の隅々まで彼のいい所を探っていく。
首筋、鎖骨、乳首、脇腹、背骨、太股。次第に乱れていく敦貴の呼吸に陽介もまた煽られていく。
自分の愛撫によって敦貴が感じている。その事実がたまらなく陽介を興奮させた。

「ぁ…あ、ふぅ…。」

まだ触れていない敦貴のモノが緩く立ち上がり始めていた。
これがさっきまで自分の中に入っていたのか。そう考えると、陽介の下半身が甘く疼いた。
敦貴にももっと感じて欲しい。
次の瞬間、陽介は躊躇う事無く敦貴のモノを自分の口に含んだ。

「ちょっ!馬鹿!何やってるんだ!」

俺の頭を必死で剥がそうと、頭をベシベシ叩いてくる。
これ以上叩かれてはかなわないので、口を窄めて強く吸い上げた。

「ひゃああっ!」

悲鳴を上げて仰け反り、手が離れたその隙を逃さず舌を這わせて攻め立てた。
茎の部分を手で扱きながら舌でカリの部分を刺激する。

「…ふ、はっはな…せ。この、ばかっ…。」

頭に絡められた手に先ほどまでの力は無く、陽介の髪の毛をかき回すことしかできないようだ。
口の中の敦貴のモノは、今にもはちきれんばかりに膨れ上がり、先の穴からは堪えきれない先走りの液がトロトロとあふれ出していた。

「おね、がい。も…はな、して。……イっちゃうぅ。」

「いいよ。イっちゃえよ。ほら。」

限界の近い昂ぶりの先端をもう一度口に含んで亀頭を丹念に嘗め回し、穴を舌先でグリグリと刺激した後きつく吸い上げた。

「あ、あ、っ!!アーッ……!」

ドクリと脈打った後にドロリとした液体が陽介の口の中へと吐き出された。
最後の一滴まで搾り取る様にもう一度軽く吸い上げた後、漸く口を離した。
お世辞にも美味しいとは言えない液体をモゴモゴしながらもどうにか全て飲み込んだ。
飲み込み終えて敦貴の方を振り向こうとしたら、顔に何かが当たる衝撃がしてバランスを崩してそのまま後ろに倒れ込んでしまった。
顔への衝撃の正体は敦貴の投げた枕だった。いきなりの仕打ちに抗議しようと起き上がって口を開いたが、敦貴の姿をみて言葉を飲み込んだ。彼は茹蛸みたいに真っ赤になって、目元には薄っすらと涙を浮かべてこちらを睨んでいのだ。
正直…可愛らしすぎる。
普段ビターマイルドなんて言われている彼からは想像できない姿だ。
思わず「可愛い」と叫びそうになったけど、それを言ったら確実に殺されそうな気がしたのでグッと我慢した。

「…信じられない。」

「へ?」

「いきなり咥えて…しかも、しかも飲むとかありえない!」

そんな真っ赤な顔で睨まれたって怖くない。いつもの迫力9割減の可愛さ10割増しと言ったところか。それに、どうやら怒っていると言うよりは恥ずかしかったようだ。

「でも、お前言ったじゃん。」

「何をだよ。」

ご機嫌斜めな敦貴の手を取って、おとぎ話の王子様がお姫様にするようにそっと手の甲にキスをした。

「俺の全てをあげるからってお前言ったろ?だからもらったんだよ。」

極上の笑みを浮かべてそう言ってやったら、赤い顔を一層赤くして暫しの間意味の無い動作を繰り返している。その後、ピタリと動きを止めて観念しましたとばかりに抱きついてきた。一言「ずるい。」と呟いた彼の顔は俺の胸に押し付けられていたから見る事はできなかった。残念。

「ところで続きをしてもよろしいですか?」

「………もう少しこのままで居たいんだけどな。」

「後でいっぱい抱きしめてやるから。じゃないと俺の息子が持ちそうにありません。」

「このガッカリ王子め…。でも入れるのはちゃんと解してからにしろよ。流血沙汰は勘弁願いたい。」

「もちろん、お前を傷つける様な事なんてしないよ。後、ガッカリ王子って言うな。」

敦貴が自分にしてくれた時の事を思い出しながら、ローションを絡めた指を後孔へと差し込んだ。抜き差しする度にグチュグチュという卑猥な水音が静かな部屋に響いた。自分の時もこんな音がしていたのだろうか、あの時は強すぎる快感に耐えるので必死だったからあまり覚えていない。

「なあ、相棒。聞こえる?お前のここ、スゲーやらしい音がしてる。」

敦貴にも聞こえるようにとわざと大きが音がするように指を動かした。グチュリと一際大きく響いた水音が二人の耳を犯す。

「バカ、…くっ、ああッ。」

解していた指を引き抜いて後孔を見ると、穴からローションをたらして先ほどまで入っていた指を欲しがる様にピクピクとひくついていた。その卑猥さにゴクリと息をのむ。
敦貴の足を抱え上げて、ゴムをかぶせた陽介自信をそこへあてがいゆっくりと挿入を始めた。

「…くっ、…ふ…んん……っ。」

苦痛に満ちた声が敦貴の唇から零れる。

「いてーよな。すぐ良くしてやるから、もうちょいガマンしてくれ。」

少しでもその苦痛を和らげようと、キスをしながら敦貴のモノを扱いてやる。
傷つけないように慎重に進めながら、どうにか根元までを埋め込む事ができた。

「入っ…た。大丈夫か?」

「うん。ちょっと辛いけど大丈夫。…それより、今、すごく…幸せだ。」

二人繋がる事によって、体だけじゃなくて心まで満たされていく。

「俺もさ、スゲー幸せだよ。」

敦貴の手を握って額にキスをしてからゆっくりと腰を動かし始めた。
時折漏れる敦貴の声が苦痛から少しずつ熱を孕んだものへ変わっていくのが分かった。
時には浅く、時には深くピストン運動を繰り返しながら敦貴を快感へと導いていく。
カリの部分で前立腺を擦ってやると敦貴の腰がうねる様に震えた。

「ぁ…あ、あ、…ふっ…。」

「…お前の、中…超気持ち…いい。」

「は…ぁ…、俺も、後ろが…こんなに気持ちいいなんて…知らなかった。」

「じゃあもっと気持ちよくしてやるよ。」

足を抱えなおして、より一層深く貫いた。肉壁が陽介のモノをギュウギュウ締め付けてきて、気持ちよくて堪らない。激しくお互いの体を揺さぶりながら二人でのぼりつめて行く。脳みそも体も全部溶けて一つになってしまいそうだ。ずっとこの時間が続けばいいのに。

「敦貴、あつたかっ。」

「ようすけ、ようすっ…もう、あ、ああっ!」

敦貴の屹立から白濁の液が勢い良く飛び散った。それと同時に後ろがギュッと締め付けられて、陽介もまた敦貴の中で熱を吐き出した。


ティッシュで簡単に処理をした後、布団の上に二人でごろりと寝転がった。

「疲れた。」

「……確かに。」

「でも、幸せ。」

「俺も。」

君と出会って、初めて『好き』って言う言葉の意味を知った気がする。
甘くて、苦くて、辛くて、心躍る。
恋心。

「好き。」

「知ってる。」

「お前は?」

「好きだよ。」

「知ってる。」

部屋に二人の笑い声がこだまする。

想いが通じ合ったこれからも。


俺達はきっと、何度も何度も君に恋をする。




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これにて完結です。
最後までお付き合いありがとうございました。




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