二人の時間<主花> 日曜日の昼下がり。堂島と菜々子は、菜々子の母方の親戚の家へと朝から出掛けていて、今この家には敦貴と陽介の二人だけだった。 壁にもたれて布団の上に座っている敦貴の膝の上に、またぐように座っている陽介は、先ほどまでしていた行為の余韻で恍惚とした表情で、敦貴の首元に頭を預けてくったりしている。 敦貴がそっと髪を梳くように頭を撫でてやると、甘える様に頬を擦り寄せてきた。 そんな陽介と敦貴は、まだ下がつながったままだったりする。 「陽介、眠い?」 「ん…少し疲れた。」 「じゃあシャワー浴びないで体だけ拭いて少し寝る?」 「ふぅ、もすこしこのまま…。」 そう言うと、また頬を擦り寄せてきて、サワサワと首筋に触れる髪の毛がくすぐったい。 あーもー、すっごく可愛い。 言っておくけど陽介、俺のがまだお前の中に入ったままなんだよ? そんな可愛い事されたらまた元気になってしまうじゃないか。 落ち着くんだ俺と息子。 俺が一生懸命気持ちを静めていると、首元に埋められていた陽介の頭が持ち上げられて視線が合った。 まだ少し先ほどの余韻の残る目はトロンと蕩けるように潤んでいる。 「あいぼー。」 「ん?何?」 「ちゅーして?」 何?何なんだろうこの可愛らしい生き物は?いや、陽介だけど、知ってるけど! 首を傾げながらそんなに可愛らしい事言われたらせっかく落ち着かせた俺の息子が! 「ふっぁぁ…、ん、あいぼーのが大きくなった。」 段々熱を持ちはじめて、また大きくなりはじめた敦貴に陽介がビクリと反応する。 鼻にかかる様に漏らされた声が一段と敦貴を煽っていく。 「だって陽介がかわいい事言うからだろ。今日はもう終わりにしようと思ってたんだけど、責任とってもらうぞ。」 軽く腰を揺すっただけで陽介から甘い喘ぎ声が漏れる。 「はぁ、やだ、あつたか待って。」 「悪いけど、それは無理。」 尻から脇腹にかけて撫で上げるとブルリと体が震える。そのまま胸へと移動し胸の突起を押しつぶす様に弄ると甘い呻き声と共に下がキュッと締め付けられた。 「そんなにキュウキュウ締めつけて、ここ気持ちいい?感じる?」 「知ってる…くせ…に。」 「うん、知ってる。陽介がここ触られるの大好きだって。」 胸を触っていた手を陽介の後ろへ回し背中を支える。その代わりに今度は舌で胸の突起を突いたり唇で挟んだり、舌先で転がす様に舐めれば硬く立ちあがった突起が赤く染まる。歯で軽く引っ掻いてやると先ほどよりも強く敦貴を締めつけてきた。 「やぁん、あつたかぁ。」 「くっ、陽介締め過ぎ。」 すっかり元気を取り戻して硬く張りつめていた敦貴自身を容赦なく締めつけられて、促される射精感をどうにか堪える。 ヤバイ、うっかりイってしまうところだった。 ふと視界に入った時計を見れば針はいつの間にか2時を指していた。昼ごはん食べるの忘れてるなーと思いながら、後1時間もすれば堂島と菜々子が帰ってくる事を思い出す。後処理をしてシャワーを浴びる事を考えればもうそろそろ終わらせなければいけない。本当はもっとゆっくり陽介の体を味わいたい所だがそうもいきそうにない。 「陽介、俺の首に両手をまわして抱きついて。」 両肩を掴む様に置かれていた陽介の手が首にまわされるのを確認してから、今度は自分の両手を陽介の尻へと添えた。 「ゆっくり動くから、しっかり掴まってろよ。」 耳元でかすれるような声で「うん。」と呟かれるのを確認してからゆっくりと腰を動かし始める。腰を動かす度に先ほど陽介の中に出したままだったものがグチュグチュと淫靡な音を立てる。 あまり時間も無いので焦らす事はせず、徐々に動きを早くしながら陽介の一番感じる部分を必要に攻め立てた。 「ああっ、やっ…やだぁ。」 「んっ、何がいや?いやじゃ無いだろ?ここも硬くなり始めてるよ。」 ゆるゆると勃ちあがり始めた陽介の前をギュッと握ってやると、見た目にもわかる程大きく体が跳ねた。 「ほら、気持ちいいだろ?」 「きもちいいけど、らめ…。」 「何がダメ?」 「はあ…やだ、ダメ。おかしく…なっちゃぅ。」 「陽介可愛過ぎ。いいよ、おかしくなっちゃいなよ。もっともっといろんな陽介を俺に見せて。」 腰は動かしたまま、前も一緒に扱きおろしてやると強すぎる快感に陽介の声が大きくなる。裏筋をたどる様に指を這わせた後、先っぽの穴を親指で擦る様に刺激してやると、ヒュっと息を詰める様な音が耳元でして、首に抱きつく腕に力が込められた。チラリと顔を覗き込めば瞳からは涙を流し、喘ぎ続ける唇からは涎が零れている。 あー、そろそろ限界かな? 「陽介、もうイきたい?」 「イきたい…イか…せて。」 「りょーかい。」 下が抜けないように気をつけながら抱き上げて、陽介を布団に寝かせた。 汗で張り付いた髪の毛をかき分けておでこにチュッとキスしてから、腰をギリギリまで引き抜いて一気に奥まで打ち付けた。 再び上がる喘ぎを唇を合わせて封じ込める。 激しく打ち付ける動きに合わせるように、いつの間にか陽介の腰も振られていて、唇を離して顔を見れば、瞳には情欲を色濃く滲ませていて壮絶なまでに綺麗だった。 パンパンに張りつめた陽介自身の先端をきつく擦りつければ、ドクリと脈打った後白濁の液が迸った。それと同時に後ろも締めつけられ、敦貴もまた陽介の奥に熱を吐き出した。 力尽きた様に横わたる陽介から自身を引きぬくと、陽介の体がビクリと震えた。 今まで自分の入っていた個所を見れば、ヒクヒクと動いて敦貴が吐き出した精液がトロトロと溢れだしていた。酷い視覚の暴力にまた反応しそうになる自分にダメだと言い聞かせた。 あらかじめ用意しておいた濡れタオルで一通り体を拭いてやる。 陽介は未だにぐったりとして布団に寝たまま動こうとしない。 「えーっと、大丈夫?」 「ぜんぜんだいじょうぶじゃない。まだふわふわする。ちゅーしてって言っただけなのに…。」 「だって陽介が可愛過ぎるから。」 「人のせいにするな。」 力の入らない手でペシっと頭を叩かれた。 「もうちゅーしてなんて言わないからな。」 「それは嫌だ。ごめんって。」 拗ねて布団に顔を埋めてしまった頭を撫でてやれば『許してやらないんだからな。』とでも言いたげに睨んできた。そんな仕草も可愛いのだと言えば蹴られるだろうなと思いながら苦笑いした。 「シャワー浴びるだろ。一人で起きれるか?」 「むり。おこして。あと、シャワーも一緒にあびる。それから疲れたからシャワーあびたらねる。」 「はいはい、仰せのままに。」 力が入らないのは体だけじゃ無くて、声もらしい。どこかふわふわしてる声を聞いていると、いつもより幼く感じる。 クスクス笑いながら抱き起せば「笑うなよ。」と言ってまた頭を叩かれた。 こんな可愛い陽介を誰にも見せたく無いから、さっさとシャワーを浴びて寝かせてしまおう。 どうしようもなくお前の事が大好きなんだ。 「この続きはまた今夜。」と囁けば、すかさず拳が飛んできた。 --------------- 本来屍鬼の徹夏で書いたのですが、 主花でもいけるんじゃない?と書きなおしてみた。 |